12/01の日記

02:56
シェリー 〜学パロ〜
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俺は、今まで 
女を好きだと思った事が無い


そりゃぁ、人並みに
美人を見りゃあ 鼻の下も伸びるし

可愛いと思う仕草なんかもあったりはするが

なんせ、面倒くさい


同じクラスのイノ達女連中に言わせると

俺の恋愛レベルは、小学生以下だそうだ…


それでも、付き合った女が
居ない訳じゃない

でも大概、自分からコクって来たくせに 


「つまんない」 

とか

「私の事好きなのか解らない」 

等と言われ、フラレる


余りの俺の横着振りに

キバには

「シカちゃん、女に興味無いの?
こう抱きしめたいとか
チューしたいとか
その先もガンガンしたいとか、無いわけ?」

と、リアクション付きで詰め寄られ
呆れられる始末…


そんな思春期特有の願望が
無い訳でも無いが


1人でいる時間の自由さと

思春期の願望を計りにかけると

『1人』が勝つような俺だった


そんな俺のバイト先に現れた、キバが只今ゾッコンな女…



バイト上がりの22時

同じく上がった彼女が、俺の後ろを通り過ぎて行く

暗がりで、こっちには気付いて無い様子

1人夜道を、歩き出した
彼女の後ろ姿を見ながら

親父の擦り込み通り、女は送っていくもんだ!
を、実行するか

キバの好きな女と、歩ってるとこなんて見られたら
面倒くせぇコトになりそうだしなぁ

などと考えていた


ふと急に小走りに駆け出す彼女

手を振る先を見ると

スーツ姿の男が立っていた

駆け寄った彼女の、凄く嬉しそうな表情に


「あぁ…キバ、また連敗記録更新だな…」


近い将来、散々愚痴を聞かされるハメになるコトを思い
デッカイ溜息をついた


停めてあった原チャリからメットを出しエンジンをかける


途中、小さな公園で彼女を見かけた

なぜか1人、ブランコで俯いている姿に

一度通り過ぎたものの

引き返してきちまった


俺が近寄るとビクリと慌て顔をあげた彼女の眼は真っ赤で
必死に泣くのを堪えている
そんな表情だった


「…あぁ良かった、奈良さんでしたか…」


警戒心が少し緩み
ホッとした顔を見せる


「…あぁ… 家どっち?」

やっと口をついて出た声が上ずっちまって
かっこ悪い


「…大丈夫ですよ、1人で帰れますから
また奈良さんにご迷惑かける訳には…」

俺は、彼女が言い終わる前に
腕を引っ張り歩き出す

「家どっち!?」

彼女は、驚いた表情で

「奈良さんて、強引ですね」

と溜息と共にメットを受け取り
俺の後ろに乗った


暫く、彼女の家方面まで走らせる
風の音だけが耳を掠めていった


「…奈良さんて、何も聞かないんですね…」


「…あぁ!?」


聞き返す


「なんでも無いですっ!」


彼女が、大声で叫ぶ



彼女の家の近くにたどり着くと
エンジンを止める


「こっから、どう行くの?」

道を尋ねると

「もうすぐそこなんで、ここで大丈夫です」

と、メットを返してきた
彼女の方を見ずに

「…聞いて欲しいなら、聞くぜ?」

俺らしく無い言葉を吐けば

「…奈良さんて、ホント
フェミニストだなぁ…」


クスクス笑いが背中から聞こえる


「じゃあ、聞かない方向で」


お辞儀をし立ち去って行く気配に

俺は、溜息をついた


「はぁ… 俺の柄じゃねぇ〜」


ドッと疲れが押し寄せ
うなだれながら、家路についた



次の日、キバに屋上に呼び出された

呼び出したりしなくても、いつも溜まり場に使っているこの屋上に
俺が現れるの解ってるくせに、敢えて呼び出し…


イヤな予感が、ひしひしと伝わる


屋上に着くなり、キバが睨んでくる


「シカ…何で、オレに彼女とバイトが一緒な事
秘してたんだよっ」


はぁ… バレたか、めんどくせぇ
心の内で呟くと

タバコを取出し、火をつけた


「だってお前、ヒトのバイト先に来て
奢れだの、未成年の癖に
酒飲ませろとか
散々騒ぐじゃねぇか…
めんどくせぇんだよ」


キバは、直も睨みながら

「…彼女の事…好きなのかよ!」

等と口走るから
笑っちまった


「そんなんじゃね〜よっ」

チラッと彼女の紅い眼をした顔が浮かんだが、直ぐにキバのデカイ声でかき消される


「だよなぁ〜! シカちゃん、女に興味無いもんなぁー!」

なんて、満面の笑みで言いやがるから

「うっせー!」

と肘でキバの肩をこづいた

「ヨシ!オレ今日から毎日、お前のバイト先でメシ食う!」


「ばぁか!学生の金で入れるトコじゃねぇよ」


「じゃあ、オレもお前の所で働く!」


「今、バイト募集してねぇよ」


「…ちぇっ!なんだよー」


サッキまでの勢いとは、反対に

ホントにガッカリと
うなだれ、真顔で塞ぎ込むキバに

俺は、なぜか少し焦った


「…お前、本気なのか…?」


「ひでぇなぁ、シカちゃん!オレはいつでも本気だよ!

ただ、今回は
何か…浮ついた気持ちじゃねぇっうか…

夜寝る時に、彼女の事考えると
嬉しくなっちまって
ニヤニヤしちまうんだケドよ…

その後、決まって
苦しくなっちまって…眠れなくなるんだ

…オレ、カッコ悪いよなぁ…」


何て… 泣きそうなツラで言うから…


酷く胸が痛んで

男が居ることは、言い出せなかった…



思えば、キバが本気な事は
前々から明らかだった

いつもなら、好きになる→コクる→玉砕を疾風の如く繰り返すキバ

なのに、今回は慎重だ



帰り道、用事がある と
先に帰ったキバを抜き

俺とナルトでツルんで帰る

互いに、クラスも違う3人だが

ガキの時からの腐れ縁で
特に待ち合わせなどしなくても
並んで帰る事が多かった


「シカちゃん、また女にコクられてたなっ」


「見てたのかよ…」


「いいなぁ〜シカちゃんは〜」

伸びをしながら言ってくる

「お前だって、あの女教師とうまくやってんだろ?」

ナルトの動きが止まる

「あっ…あれは、遊びだってばよ!」


遊びのヤツが、そんな悲しそうな顔するかよっ
と突っ込みたかったが

昨日のキバを思い出して
口をつぐんだ


「シカちゃん何で断ったんだよ
すんごい可愛い子だったじゃんかよー」


先ほどの表情とはうって変わり

ニヤニヤしながら聞いてくるナルトに

「めんどくせぇんだよ…」

俺らしいセリフを吐くと


「珍しいな、シカちゃん
今まで“断るの めんどくせぇだろ?”って言ってたくせに」


なんてナルトが言い出すから、歩いてた足が止まっちまった… 


「どうしたんだってばよ…?」


「嫌…ちよっと寄り道してこうぜ」


俺は、河原の土手まで駆け上がり
その場に寝転んだ


後から着たナルトも横に寝転び
暫く2人で曇を眺めた


携帯を握り締めながら
ナルトが急に話し出した


「しってたか?キバ、今例の彼女に
コクりに行ってるってばよ」


途端に、俺の鼓動が早くなる


ナルトが何度もメールをチェックしては
携帯ストラップを眺める表情だとか


キバの屋上での
らしくねぇ真剣な顔だとか


いろんな事が、胸ん中でぐちゃぐちゃと渦巻いて


俺を苛立たせた





つづく







またしても、題名と余り関係無く(^^ゞ

もう別もんだと思って下さい←投げた(@_@;)

思いがけず、長くなってしまい 続きモノになってしまいました…(-_-)

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