02/03の日記

22:49
ー背中ー  〜ナル×カカ〜
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俺が最初にその姿を見たのは


真っ暗ぃ闇に
月明かりだけを浴びて
1人佇む背中で


周りの惨劇の紅とは対照的で

氷のような碧い冷気を纏い 一切 人を寄せつけないその姿は


研ぎすまされた鋭利な刃物のようで

俺の脚は、不覚にも震えていた


声を掛けたかったケド 


纏う冷たい空気とは逆に

ともすれば、泣いているのかと思う危さを見せる その背に

どうしようもない絶望と孤独が晒されていて

近寄ることもできなかった


その時、初めて “ はたけカカシ ” という忍の
今まで背負ってきたモノの重さに 
愕然とした



俺の担当上忍だった頃は、その強さは認めていたが

遅刻魔だわ エロ本ばっかり読んでいるは 女性関係の揉め事は絶えないは… と

飄々とした、掴みどころの無いその姿に
里一番の業師の強さも
霞んでしまっていた



その日も、女性に平手をくらっているカカシを見かける


ポリポリと赤くなった頬を掻きながら 路地裏から出てきたカカシと目が合う


「おまえ… 見てた?」

  
大きく頷くと 


眉毛の下がった情けない顔で力なく笑った


「カカシ先生… なんで、ちゃんと つき合わねぇの?」


いつもは、子供には関係無いでしょう とか適当にはぐらかすのに


「そんなことしたら、失くせないでしょう」


いつになく真剣なその横顔に


それが
失くすのが辛い
と言う意味なのか


手放せなくなる
と言う意味なのか


俺の頭と、片眼しか見えない表情では その意味が推し量れなかった


今なら、なんとなく分かる…


あれは、たぶん


大切な者なんてつくったら

戦えなくなる


死ねなくなる…  


そういう意味だ


里の為に生き 里の為に死ぬ


それを、躊躇ったら 忍では無い…


俺に、その 本当の意味が

分かっていただろうか…


火影になって、この忍の世を変える


争いの無い世界にする


表向きな言葉


その裏で、この人は幾千もの屍を越えて

自分の心をすり減らし
身体にいくつもの傷を作りながら

それと引き換えに強さを得てきたのだろう


たくさんのモノを失いながら…



どこまで往ってもかなわねぇ


たとえ火影になっても…


「ナルト… どうしたのよ 」


不意に声を掛けられ、顔を上げると


いつものカカシ先生の顔があった


俺は、いまは開かれたその色違いの両方の瞳を


見ることができなかった…






end





この話は、某コミュ用に書いたモノです

初ナルカカ ← このCP今1押しです(笑)

ただ、文才ないと凄く難しいCPなんで 悪戦苦闘(泣)

意味フですみません…

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