03/15の日記
22:13
09. 人気者の君に妬く 〜カカシ〜
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「 カカシ… いい加減にしたら… 」何度目かの溜息を吐くと
「 俺の方が、いい加減にしたいよ… 」と、カカシも溜息で応えた
また、プレゼントの箱を抱えた女の子達が 上忍待機室を覗いている
呼び出され部屋を出て行くカカシ そしてまた荷物が山と増える
1日それの繰り返し
そんなカカシを睨み、また溜息をついた
「 カカシ… あんた、裏で何て言われてるか知ってる? 」
「 俺? … どうせろくなことじゃナイんでしょ? 」
ゲンナリした顔の、カカシの耳元に唇を寄せ
「 カカシのHは、独りよがりで 自分が良ければそれで良いHだって… 」
ぶッ! 吹き出すカカシの耳たぶを掴み更に
「 ついでに… 早くて、マグロで、細長い、らしいよ… 」
「 ゆき… 尾ひれつけ過ぎじゃナイ? 」
「 あはっ、バレた? でも足したのは“細長い”だけだよ 」
カカシの耳たぶを掴んでいた手を、引き寄せられる
昔とは違う広い胸に倒れ込むと、今度は逆に私の耳たぶをにカカシが掴む
「 ゆき… 見たことないでしょうよ… 」
「 あるよ。7才まで一緒にお風呂入ってたじゃん
急に、もう入らないって言われたケド… 」
耳を掴んでいたカカシの手を抓る
「 ゆき… 俺、幾つになったと思ってるの? 」
眉毛が力無く下がる
「 今日で、33 ゾロ目だね。おめでとう 」
視線を合わせて素直に言葉にしたら
「 ありがとう。…誰かさんが“おめでとう”なんて言ってくれると思わなかったから、凄く嬉しいよ 」
とチョッとはにかんだように笑った
その顔は、昔と変わらないのになぁ〜 と頬に手を伸ばす
子供の頃は、よく女の子に間違われいて 女の私の方が男っぽくて
よく 逆だったらよかったのにねぇ〜
なんて、大人の心無い言葉に傷ついて
カカシに八つ当たりをしていた事を思い出す
クスクス笑っていたら
結んでいた髪の毛を解かれた
「 ゆき… 細長いかどうか… 試してみる? 」
ゆっくり下ろされる口布
「カカシ…?」
赤い顔で固まる私に
「 俺の、26年分の思いをキッチリ受け取ってもらうから… プレゼントは、ゆき ね… 」
とそっと囁かれた
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17:06
08. もう少しだけ苗字でよばせて 〜カカシ〜
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「はたけさん、報告書なんですケド… 」
手にしていた報告書を、指し示すと
盛大な溜息と共に
「あのさぁ〜 その『はたけさん』て、何とかならない?」
との言葉が、頭上から降ってくる
意味が判らず、カカシの顔を見上げると 少し拗ねた顔で
「俺達、もうつき合ってるんだしさぁ〜」
頭を掻くカカシに
「ハァ…?」思い切り、訝しげな返答をした
カカシの動きが止まる
「酷い!! 忘れちゃったの!? 昨日の熱い夜の事を 」
熱い夜!?…昨日?… 昨日は… 飲み会があって… あァ… そういえば…
はたけさんに、まるでそこの荷物取って?みたいな気軽な感じで
「俺達つき合おうよ」と言われて「いいですねぇ」とその場の勢いで言った…
確かに… 言った
「あれ… 本気だったんですか?」
「酷い!俺の勇気を振り絞った告白に…」
ガックリと肩を落とすカカシに
「いや〜 だって飲みの席だったし…」
はたけさんは、私の肩をガシッと掴むと
「じゃあ、今ちゃんと言うからっ! 俺と… 」
「わぁぁぁーーっっ こんなとこで何を言い出すんですか!!」
顔が紅くなるのが判る
仮にも、上忍待機室前の廊下 誰が通るか分からない
「だって、信用しないから… ホラっ、聞いてよ!す…」
「わぁぁーーーーっっ!!判りました!判りました!」
今度は、私が彼の肩を掴む
「じゃぁ、『はたけさん』じゃ無く『カカシ』って言ってごらん」
片目だけの不適な笑みで 距離を詰めてくるはたけさんに
「恥ずかしいので… もう少しだけ… 苗字で呼ばせて下さい…」
懇願した私に、マスクの下でニヤリとはたけさんの口元が動いたのが分かった
あぁ… 主導権は、あなた側ね… と溜息をついた
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