03/26の日記

01:15
14. 離した手を繋ぎ直して  〜ナルト〜 
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ナルトを、火影に…

ペイン戦後 その声は高まっていった

 … いまさら

小さな時から、ナルトは周りから忌嫌われていた

理由もわからず受ける仕打ちが 小さな子供にどれだけの傷を残したか

なのに、ナルトは

「 火影になる 」 と言う

この人は、本当に強いなぁ… 心底そう思った


任務帰り、家の前で見知った気配を感じる

「どうしたの?今何かと忙しいんじゃないの?」

部屋の鍵を開けようとすると、鍵ごと手を摑まれ 

「外で話がしたい」 と言われた

そうか… この人は、火影になる人だ 
私なんかの所に来た事が知れては、いけない…

摑まれた手のまま 丘まで上がるが、そのまま何も言わないナルト

しばらくそうしていたが、摑まれた手が痛くて 
自分の中にある心当たりを言葉にした

「 …あぁ 大丈夫、私達の事は 誰にも言わないから 」


――私達の関係

ナルトも私も、親を知らない その記憶すら無い私達は互いに支えあって生きてきた

大人になるにつれ それは、身体を重ねるという行為になり

互いの寂しさを、互いの温もりで埋めるようになっていた

足りない何かを満たし合う 

ただ、それだけの為の行為…


「 俺 … 

何かを口にしようとするナルトが嫌で

「大丈夫だって、心配しないで 」

慌てて言葉を遮った

私は、ナルトの手を振りほどき去ろうとすると ギュッと又 力強く摑まれる

なにかいいたげな青い瞳は力強く私を見据えているが

真一文字に結ばれた唇から発せられる言葉を聞いたら、もう…最後な気がした

「 あなたと私は、身体だけの関係 それ以上ナニも無い、それでいいでしょう 」

ナルトの手が緩んだ 

自分を傷つけて 現実を思い知らせるように吐いた言葉を

…なんでナルトが傷ついた顔するのよ

手を振りほどき、駆け出した

離してしまったこの手の温もりを、二度と感じることは無いだろう…



今日は、新しい火影の任命式

私は、割り当てられた里内の警備につく

あれから、ナルトとは1度も逢っていない

これで良かったんだ…

 
高台から、里を見回す

まだ真新しい火影岩に目がいく

「似てないな… ナルトはもっとこう頬っぺたが丸くて 顎がシャープで… 

「だよなぁーっ! 本物の方が、断然かっこいいってぇの!」

声に驚き振り返ると

いつもの人懐っこい笑顔のナルトが居た

「こんな所に火影様が居ていいんですか?」

冷ややかに言い放つと

急に真面目な顔で

「俺、おまえに言っときたい事がある」

「だから、私達の事なら…

「俺は、おまえを 1度でも身体だけの女だと思った事はねぇ…」

真っ直ぐ見つめられる

「おまえは、そうは思ってなかったみたいだけどよ」

伏目がちに 頬を掻くナルト

「上手い事言えないケドよ… ずっとおまえは俺の支えだった
これからも、そうなるといいな と思ってたケド…
おまえの気持ち… あの日聞いて、ちょっとショックだった… 」

ナルトの手が震えていた

「…なんて!まぁー火影になるまえに、キチンと言っておこうと思っただけだってばよ」

急にサッキまでとは変わり、ここに現れた時と同じ顔でニカッと笑った

1人で喋って じゃ!なんて去って行こうとするナルトの手を引っぱった

「勝手に言いたいことだけ言って消えないでよ…」

へっ?なんてマヌケな顔に、手を差し出す

「今後とも、よろしくお願いします 火影様」


離した手を繋ぎ直して


あの時離してしまった手が、もの凄く大切なものだったと思い知った…

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00:26
13. 歩調を合わせて歩いたら  〜大蛇丸〜 
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「 大蛇丸様… その勾玉のネックレス、いつもしてらっしゃいますね 」

自室のベットに座り、無意識に勾玉に触れていた手が留まる

「 そうね… 」   

「 誰かから、貰った物なのですか? 」

「 なぜ…? 」

カブトは、人差し指で眼鏡をズリ上げながら続ける

「 いえ、同じものを あと2つ見たような気がしましてね 」

途端、顔色1つ変えずに 放たれた殺気に全身が毛羽立つ

「 気のせいよ… 」

触れてはいけない部分だったのか、 とホローの言葉を口にした

「 そうですか… 木ノ葉で… 

「 カブト… それ以上口を開くと… 殺すわよ 」

いつのまにか、白蛇が身体に巻きつき牙を剥く一瞬の幻影

「 しっ、失礼しました 」

カブトは、青白い顔で大蛇丸の部屋を後にした


大蛇丸は、ネックレスを引き千切ると強く握り締めた



 … もし 

 三人で、歩調を合わせて歩いていたら 

 何かが 
 
 変わっていたのかしら…




「 今更ね… 」




小さな溜息と共に 手を開くと 粉々になった石が手の平から零れ落ちた








お題の意図と違うケド アニナルED添いなもの書いてみました

大蛇丸姐さんは、この直前に自来也様が亡くなったことを耳にしていたらいいなぁ…

ちょっとおセンチな姐さんも好き

3人は、どこか心の奥底で 少しでも繋がってお互いの支えになってたらいいなぁ… という 自分の願望話でした(笑)

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