03/28の日記

21:54
卒業  〜学パロ〜
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騒つくクラスの中
1人窓枠に腰掛け校舎を眺めるキバ

感傷に浸るなら、自分のクラスでやれよ…

俺は、自分の机に足を乗せ椅子をユラユラ揺らしながら
冷やかな視線を送っていると

隣から、でっかい溜息が聞こえた

嫌な予感がしながらも横目で見る

おまえもかよ〜

見慣れた金の髪のヤツと視線を合せないように 机に突っ伏した

「シカちゃん… 俺達、結局 誰も彼女出来なかったな…」

立てた片膝に頬杖つきながら しんみりと言うキバに

「うぅっ…」

反応して涙を拭うナルト

俺は、ガバッと身体を起こし

「泣くなっ!めんどくせぇっ」

珍しく声を荒げた

そんな俺の肩を、キバが叩く

「シカちゃん、おまえも泣きたければ泣け
俺の胸を貸すぞ…」

なんて哀れみの眼差しで両手を広げるもんだから

反論するのも バガバカしくなり
ガックリと肩を落とす

バカと付き合ってらんねぇ

席を立つと

「何処行くんだよ〜」

縋りつくようなナルト

瞳をウルウルさせんじゃねぇ!

溜息と共に

「一服 」

極力短く言い残し、屋上へ向かった


屋上の柵に凭れいつものタバコに火を点ける

ジッポの蓋が閉まる聞き慣れた金属音

一息深く吸い込んで
空に煙りを吐いた

ここでタバコを吸うのも、今日で最後…

結局、キバの言う通り
俺達の中で
思いが叶った奴は誰もいなかった

あ〜ぁ…
めんどくせぇなぁ…

この年代特有の青臭い感じ

よく漫画やテレビなんかでやってる

自分の気持ちを持て余し
熱に浮かされたように
苦かったり 酸っぱかった甘かったりする思いを
味わって 

何年か経った後に、思い出して くすぐったくなったり 少しチクリと胸が痛んだり
他者はそれを青い春と呼ぶような

そんなのには、自分は全く縁の無い世界だと思っていた

ガラじゃ ねぇ〜んだよ…

何度目かの溜息をつく


「シカちゃん、何センチメンタルになってんのよ〜」

後ろから思いっきり ドツかれる

「いってぇなぁ!」

仕返しとばかりに
ローキックをキレイにキメ
ほくそ笑んでやると

いってぇ〜 とか足を擦りながら

「シカちゃん、変わったよなぁ 」

なんて、つぶやくキバに すぐ後ろに居たナルトも
うん うん と、頷いた

意味が分からず 怪訝な顔をしている俺に

「なんか、人間らしくなってきたっつうか
ちゃんと血が通ってきたっつうか… 」

と訳の分からないコトを言った

背後にいたナルトが、俺の吸ってたタバコを奪い
大きく吸い込むと、わざとらしく顔に煙を吐きかけた

「分かるってばよ!最初、シカマル すんげぇスカした やな感じのヤツだったってばよ!」

いつの間にか自分のタバコを咥えたキバも一緒に
俺の顔に煙を吐き出す

「そうそう!いつもシラーッとしてて冷たい感じだった!なんでこいつ人生諦めたみたいな感じなんだろうって思ったぜ!」

「年寄りくせぇつうか、オヤジくせぇちゅうかな〜」

2人で肩なんか組みだして、ニヤニヤしながら俺に暴言を吐くコイツらに怒りが沸く

「おまえらのバカに付き合わされてこうなってんだろうが!」

「ホラ、怒った!前のシカマルなら 怒って大声を出すなんて 無かったってばよ」

俺は、落ち着こうと 眉間に手をやった

沸点から思考が戻ってくる

確かに、こいつらの言うコトも一理あるかもしれない

そういえば、担任のアスマからも 変わったと言われたことがある

俺は、確かにガキの頃から 擦れた子供だった

別に家庭環境に問題がある訳でも


育ち方に問題がある訳でもないが

なんせ覚めたガキだった

所詮こんなもん… そんな答えばかりを毎回導きだし
それ以上、無駄な事はしない

おかげで、いつも頭の中が冷やかだった


それがどうだ、こいつらとツルむようになったら

ケンカはするは
めんどくせぇ後始末までやらされ
熱くなって全力でバスケに興じたり

段々 俺の冷たい部分を溶かすような熱い勢いで
強引に俺を乗っ取っていくウイルスのようなコイツらに
すっかり飲み込まれ 溶かされちまった

頑なに死守していたハズの氷山の最後の山も

あの… キバと同じ女を好きになり玉砕するという出来事に

もうまさに、ビックウエーブな津波がおきる勢いで
溶けだしてしまっているのに


目眩がする…


「おい!おまえたち、謝恩会始まんぞ!バンドやんだろ!?」

渡り廊下を歩いていたアスマの声が屋上まで響く

!! …
バンド…!?

「あっ! シカちゃんボーカルだから!よろしく〜」

手を振りながら駆け出す キバとナルト

「おい!ちょっと待て!!」

俺は慌てて後を追いかける


はぁ〜 

あいつらと居ると
出るのは、ため息ばかりだ…

俺の冷たい氷が、全部すっかり溶けだすのも
時間の問題な気がして
苦笑いした


この関係が、いつまで続くか分からない

形が変わってしまうかも知れないとも思う

しかし、いつまでも帰れる場所で あいつらが笑ってればいいな…

なんて、やっぱガラじゃねぇ


めんどくせぇなぁ…


そう空に呟き 2人の後を追った








end





イケてねーズ話し
これにて終了になります(^-^)

現代の学生ならこんな感じかなぁ〜 と、書いてて楽しかったです

その妄想が行き過ぎて
あの拍手文になったようなもの(笑)

死が1番身近な忍び
死が1番縁遠いい学生
対照的ですが
いかがでしたでしょうか?

うまく青春を謳歌している感じが伝われば幸いです


お付き合いありがとうございましたm(__)m


機会があったら、また
大人になっていく
イケてねーズが書けたらいいなぁ〜 と思っています(^^ゞ

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