03/31の日記

22:25
温度     →シカマルが、テマリを凄く意識する
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ずいぶん前から、意識はしていた


好きだと言う自覚もあった



案内役での見送り時

門前で、手放したく無いな… と漠然と思ったりもした



ただ、だからどうすりゃいいんだ とか 


キャラじゃねぇ とか


俺にはめんどくせぇ とか


厄介事は、やり過ごす この染付いた諦め癖や

相手の気持ちを 推し量りかねて
すっかり持て余しちまった自分の想いに

苛立ったり


かと言って踏み出す勇気も決意も無い
情けなさに、愕然としたり


自分の気持ちに蓋をして、

里が違うこと

立場が違うこと

年齢差 


そんなことばかりを言い訳にして


――そっから先には、進まなかった

嫌、進めなかった… が正直なところか――


けど、今は…

なんでそんな理由で諦めていられたのか


あの翡翠の瞳から

目を反らし続けていられたのか


すぐにでもそれが叶う距離に居たのに

触れずにいられたのか



分からねぇ…



里の外れにある、静かなこの書蔵庫で 

今、目の前のテマリは 静かに寝息をたてていた


こいつ、やっぱり美人だな…


その長いマツゲに影が落ち彫の深さを際立たせている

スーット鼻筋が通り 

今はその枕になっている腕に半分ほど隠れてる
シャープな顎のライン と同時に、唇に目がとまる

やはり、女なんだなぁ と思わせるやわらかそうなそれに 

手を伸ばしかけて、

慌てて引っ込め

その手をキツく握りしめた


俺は、その場に突っ立ったまま吸いつけられたように
身動きできない

自分の心臓なのに、急速に動くその動きについていけなくて 苦しくて胸を抑えた


もう夕暮れの朱が差し込む窓際で、スヤスヤと眠る姿に


触れたくて触れたくて 


俺自身が、なんだかんだと言い訳して
全部放棄していたくせに


諦めていたくせに…


今更…

なんで…


こんな気持ちがこみあげてくるんだ


今までだってやり過ごせていたハズなのに



こんな気持ちは一時的なもの 案内役が終わり日が経てば薄れていく

そうずっと思っていたのに

今の俺には、どうやってもその自信が無い

理屈では分かっているのに

今までと同じには、やり過ごせない


それどころか、こいつが起きたら

どんな顔をしたらいいか


自分の中に巻き起こりどんどんふくれあがるこの感情に 目眩すら覚える


もう、腹をくくるしかねぇな…


逃げ道を全部遮断され 目を反らし続けていた目の前の事実に 
認めざるおえないところまで追い込まれちまったようだ


「 めんどくせぇ… 」




「 いつまで、突っ立ってるつもりだ…? 」


テマリが、ゆっくりと目を開け 口角を上げた


「 チッ、起きてたのかよ 」


身体を起こしながら尚もニヤニヤと笑うテマリに、なんて言っていいか言葉が出てこず
額に手を当てた


「 ずいぶん長い間 突っ立ってたが、見惚れたか? 」


その途端、まるで着火したかのように 赤くなる俺を見て


テマリが、驚く


「 おまえ… 顔、赤いぞ… 」


「 分かってるよ、 めんどくせぇなぁ 」


顔を隠しながら 手を差し出す


「 とにかく、迎えにきた 」


いつも、手を差し出すことなどないシカマルのそんな態度に 訝しげな顔をするテマリ


「 いいから、ホラッ 」


差し出した手を、テマリの目の前まで突き出すシカマルに

テマリは、シブシブ手を取る 


途端グイッと引き寄せられバランスを崩す


「 なっ!なにをする!! 」


抱きとめられた胸から慌てて離れようとするテマリをキツク抱きしめ 肩に顔を埋める


「 すまねぇ… ちょっとだけ… 」



シカマルの、いつもと違う 思いつめたような声に
突っ張っていた腕の力を抜いた


しばらく、されるがままだったテマリが 小声で呟く



「 どうした… おまえらしくナイ… 」



「 俺も、そう思う… だだ、もう、今までのままじゃ 無理だ… と思ってよ 」


テマリの腕が、背に回る



「 どうしたいんだ… 」



「 分からねぇ… ケド、このまま触れていてぇ 」



「 そうか… 」



シカマルは、肩口から顔を上げ耳元で話す



「 … 俺、口説いてんだケド… 」


テマリは、シカマルの耳を掴みグイッと自分の顔の前まで引っ張る


イテテッ


「 あぁ… 百万年早いが、口説かれてやってる… 」


視線が絡み  唇が重なる


触れた唇から伝わる温度が、胸を熱くする


俺は、腹をくくった 


今まで、めんどくさがっていた事 全部ひっくるめて
乗り越えてやる 


めんどくせぇが、戦術は得意だ


いっちょ、やる気無しbPを廃業して
やるときゃやる男を見せるか


めずらしく、ふつふつと沸き上がる闘士に 


こんな姿、他の奴に見せらんねぇ


抱きしめたテマリの背中で、苦笑いした







end






シカマルが、テマリの事を いい訳できないくらい
どうしようもなく意識しだした瞬間
みたいなんが 書きたかったんだけど…Orz

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