04/09の日記

22:15
19. プレゼントを身に付けて  〜ガイ〜 
---------------






中忍になって初めての実戦任務で、あの人と一緒になった

自分は、中忍の内でもセンスが良い と褒められていたし
その自負もあった

最初に、小隊の隊長を聞いた時 エリートと言われる
カカシやアスマじゃなかった事に

正直 ガッカリしたくらいで


なのに今… 

なんでこんなに、この人の体術に見入られているのか

筋肉質で硬そうな身体からは、想像もつかない
流れるような動きで敵をなぎ倒していく姿に 

魅せられる


この人、 ホントに強い…


体術には、私も自信があったが まるでレベルが違う

私の自尊心は、地に落ちた


その後の任務は、ボロボロで… 

敵のトラップには引っかかるは 攻撃手順を間違えて隊に迷惑かけるは

…最悪の初任務となった



任務終了後

「隊長!」

振り向いたガイに頭を下げる

「申し訳ありませんでした 」

ガイは、キョトンとした顔で

「どうした?」

と私の目線まで屈んだ

「役立たずどころか、庇ってまで…」

自分が悔しくて情けなくて、涙が出そうになる 
必死で耐えていたのに

「初任務にしては、上出来だ」

と頭をグシャグシャと撫でたりするものだから

ヤバイ…

一気に涙が溢れた

「どっ…どうした!」

慌てふためくガイを押しのけ、その場を駆け出した



そのまま家に帰りたく無くて

小高い丘に腰を下ろす

落ち着きたくて、膝を抱えてみたが

自分の不甲斐無さばかりが、頭を過ぎる

「最悪…」


その時、後ろから名前を呼ばれ 肩が震えた

ズルイ、気配を消してくるなんて

「すまん…俺は、旨い事は言えんが 」

頭を掻きながら 私の横に座ると

私を慰めようと、自分の初任務の時の話や 失敗談 怪我をしてしまった話など
汗を掻き掻き、たくさん話してくれた

だんだん笑顔が見られるようになった私に安心したのか

「そうだ!オマエに、コレをやろう」

ガイは、自分が身につけていたお守りを渡した

「コレは、俺の師から貰ったものだ」

私の手にお守りを握らせるガイに慌てて手を引いた

「そんな大事なもの、貰えません!」

ガイは、私の手を掴み

「なんでか、オマエに持っていて欲しいんだ」

と半ば強引にお守りを握らせた




朝目が覚めると、思わず笑ってしまった

「懐かしい… 」

思わず呟いた言葉に、隣から逞しい腕が伸びてくる

「どうした?」

その腕に抱きしめられながら

「懐かしい夢をみたの… あなたが、初めてプレゼントをくれた時の夢 」

「あぁ、あれか、もうボロボロになってしまったな 新しいのを

「あれがいいの」

ガイの言葉を遮り、キッパリと言う私を見て
優しく微笑んだガイ

「…今日は休みだったよな?」

頷く私に

「じゃあ、遠慮はいらんな」

熱い口づけが降ってきた



あれからずっと、未だにガイのくれたプレゼントは私のポーチについている

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ