08/29の日記

17:27
人気者のキミに妬く 〜カカシ〜 ※リメイク
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「 カカシ… いい加減にしたら… 」


視線だけを送り、頬杖をつきまがら何度目かの溜息を吐くと



「 俺の方が、いい加減にしたいよ… 」


と、カカシも読んでいたいた本を閉じ 溜息で応えた



また、プレゼントの箱を抱えた女の子達が 上忍待機室をチラチラ覗いている


案の定呼び出され部屋を出て行くカカシ  


そしてまた荷物が山と増える


今日1日それの繰り返しだ



御蔭で、上忍待機室の片隅は 綺麗なリボンやカラフルな包みの山ができて


入ってくる人 入ってくる人 


その山を見てビックリしながら 少し考え


あぁ… なんて カカシの顔を、不憫にチラチラと見るか



羨ましい とか モテる男は辛いね と茶化すかのどちらかだった



「今年もまたスゲ〜なぁ… 」


毎年恒例の、見慣れた景色なはずなアスマでさえそう呟いて カカシの肩に手を置くと


それに応えるように力なく笑ったカカシ


「今年は、断りたかったんだケド…
五代目が、里の消費拡大に貢献しろ とかなんとか言いだしてね… 」


「違いねぇ、商店街もカカシ様様だろう 」


なんてアスマがニヤニヤ笑うものだから


カカシの猫背が益々丸くなり もう何度目になるか分らない溜息を吐いた



私は、去年 中忍だったので


噂には聞いていたが、この誕生日の“カカシ詣で”を目の当たりにするのは 初めてだった


またプレゼントを抱え
「ありがとねぇ 」なんて、その片目しか見えない目で微笑むカカシを睨み

私もまた数えるのもバカバカしくなった回数の溜息を吐いた



なんでこんな日に任務じゃナイんだろう…



歳は少し離れていたが、小さな頃から御近所で 
一緒に育った幼馴染がモテる事は、忍になってから知った


カカシとは、彼の父親の事件以来 パッタリと逢う事は 無くなっていたが


それでも、自分の中では ずっと大切な幼馴染だと思っていた


久々の再開は、上忍になった日に、シズネさんから「カカシさんは、知ってますよね 上忍一のモテ男なんで 他のくノ一から やっかまれないようにね」
と言われ お互い儀礼的に挨拶を交わしただけだった


それから、何度となく任務を一緒に組んで


ぎこちなかった元幼馴染の関係は、少しずつ昔のように戻っていき


最近になってようやく 呼び捨てし悪態をつけるような間柄になって


「カカシ昔、犬が恐くて べそかいてたよね
それが今は、立派な忍犬使とはねぇ 」


「おまえ… それ、他の人の前で言わないでよねぇ… 」


など ちょっとづつ昔のネタを掘り返し
脅したりして 


「なんでカカシがモテるんだか、分んないんだよねぇ… 」なんて言っていたのに


この目の反らしようのナイ状況…



誰も居なくなった待機室


「 カカシ… あんた、裏で何て言われてるか知ってる? 」


カカシが座るソファーの前にイスを持ち出し座る


「 俺? … どうせろくなことじゃナイんでしょ? 」


如何わしい本から視線を上げ 
ゲンナリした顔のカカシの耳元に唇を寄せ


「 カカシのHは、独りよがりで 自分が良ければそれで良いHだって… 」


 ぶッ! 吹き出すカカシの耳たぶを掴み更に


「 ついでに… 早くて、マグロで、細長い、らしいよ… 」


言い終わらないウチに一睨みされ


「 …おまえ …尾ひれつけ過ぎじゃナイ? 」


カカシは、女が早いとかマグロとか言うんじゃない と
私のほっぺたをグニグニと摘みだした 


ヤメてっ ダメぇとか 痛いっ 自業自得とか


子供の頃のように、ポカポカと叩きあいながら


「でもっ 足したのは“細長い”だけだよ 」と言うと


カカシは、耳たぶを掴んでいた私の手を引き寄せる


途端、バランスを崩してイスから倒れた私を


広い胸が抱留める 昔とは違うその身体つきを、リアルに身体で感じる 


…目眩がした



今度は逆に私の耳たぶをカカシが掴む


「 おまえ… 見たことないでしょうが… 」


私は、その胸の内から 身体をガバッと起こし


「 あるよ!5才まで一緒にお風呂入ってたじゃん!
急に、もう入らないって言われたケド… 」


私の耳を掴んでいたカカシの手を思いっきり抓る


「 …おまえ …俺、幾つになったと思ってるの? 」


痛いなぁ なんて手を擦りながらも 眉毛が力無く下がる


「 今日で、33 ゾロ目だね。おめでとう 」


視線を合わせて素直に言葉にしたら


また腕を引っ張られ 再度 カカシの胸の中に


「 ありがとう。…誰かさんが“おめでとう”なんて言ってくれると思わなかったから、凄く嬉しいよ 」


とチョッとはにかんだように笑った


その顔は、昔と変わらないのになぁ〜 


頬に手を伸ばす


この顔…


子供の頃 カカシは、よく女の子に間違われていて 
女の私の方が男っぽくて 


逆だったらよかったのにねぇ〜 
なんて、大人の心無い言葉に傷つき 
カカシに八つ当たりをしていた事を思い出す


クスクス笑っていたら


結んでいた髪の毛を解かれた


「 … 細長いかどうか… 試してみる? 」


ゆっくり下ろされる口布


「カカシ…?」


赤い顔で固まる私に


「 俺の、26年分の思いをキッチリ受け取ってもらうから… プレゼントは、おまえ ね… 」


とそっと囁かれた


え… 26年…?


そう聞き返したかったケド


もうカカシの熱い口づけに思考を奪われていた






end

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