12/14の日記

22:39
白雪姫 〜オールキャラ〜
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「皆、静かに!」


ザワつく教室内に、担任のイルカの声が響く

今まで、騒がしかった教室も その一喝で静まりかえる


なんせ、イルカ先生は 怖い

惜しみい愛情を、皆に注ぐが  

怒った時のゲンゴツも、また半端ナイ愛に溢れていて とても痛い

それを皆、分かっているからだ


イルカ先生は、黒板に文字を書き
それを読んだ


「学芸会のだしものが決まった… 」

一呼吸置いて、咳払いをして見せたりして

子供達の視線を集めると ゆっくり

「『白雪姫』だっ 」

と、言った


途端、賛否両論の声が一斉にあがる

主に、賛は 女子で

否は男子だったが

気にせず話を続ける


「配役を決めるぞ〜」

ぐるっと教室を見渡し

「白雪姫役、立候補〜」そう声をかけると

ばばっと、数人の女子の手が挙がる

中には、ライバル視している友に負けないように 力いっぱい手を挙げて睨みあっている子も居て

溜息と共に

「これは、後でな…」と頭を掻いた


気を取り直して

「次、王子役〜」

ハイっ! ハイっ! と勢いよく2本の手が挙がる

「俺が、サクラちゃんとやるってばよっ」

「バカ、王子と言えばこのキバ様だろ〜」

当のサクラ他、女子からのブーイングが教室中に響く

なんでサスケくんじゃナイの〜 絶対やだ〜 あの自信どっからくるのかしら〜  など

聞えよがしのクレームに 凹む2人


あははははっ…

力なく笑いながら、ナルトとキバの頭を撫でてやると

涙目で見上げてきた

また、溜息と共に

「…仕方ない、くじ引きにしよう 」

ザワつく生徒達を尻目に くじ引きを作る


「いいか、誰にどれが当たっても恨みっこナシだぞっ 」

そう言いながら、子供達に引かせていく


あぁ、私 召使いだって〜  俺、小人2だ〜

など、次々配役が黒板に書きだされる


「ゲッ…」

くじを引いて固まるシカマルに、隣のチョウジが覗き込み

「先生、シカマル王子役だよ 」

「バッ、バカっ チョウジ!」

シカマルが隠そうとしていたくじ引きの紙を取り上げると

「ハイ、シカマル 王子な 」イルカの声で

女子からは、サッキ程ではナイが やはり不満の声が聞こえた

「文句言わない 」


すると、イノが隣のヒナタの引いたくじと
「変えて、サスケくんじゃナイなら意味無いのよっ 」と強引に交換してしまう

「あっ…」

「どうしたの? 」

困った顔をしたヒナタの紙をサクラが覗き込む 

「あ、先生〜 ヒナタお姫様役〜」

とデカイ声で叫んだ

「…えっ…私…そのっ… 」

慌てるヒナタは関せず 黒板に名前が書き込まれてしまう


すべての配役が決まり イルカが一息吐いた時

クラスの女生徒が「先生〜 王子様とお姫様のキスはあるんですか?」と質問してきた

途端、固まる2人…

イヤ、イヤ… アカデミーのタカダカ学芸会で 
そりゃあねぇだろう…

そうタカを括っていたシカマルの耳に

「お話は、忠実に再現しないといけないからな!あるぞっ!」

教師らしい張りのある大きな声で爽やかに言い放ったイルカに

「…マジかよっ… 」

シカマルは1人毒づき 盛大な溜息を吐いた


その日から、上級生には呼び出されるわ

女子からは、ひやかされるわ

キバには恨まれるわ

ろくな事が無い…


アカデミーからの帰り道空を見上げながら、ぶつくさと文句を言っていると

帰路を1人で歩くヒナタを見掛ける

思わず、回りをキョロキョロし

誰も居ないのを確認すると

素早く、ヒナタの腕を引き 路地裏に隠れた


「…シカマルくん…?」

ビックリした表情で、何か言おうとしてるヒナタに

しぃーっっ と 口元に指を立て制した


再度路地裏から顔を出し、誰も居ない事を確認すると

ため息と共に

「ヒナタはよっ、ナルトの事が好きなんだろ?」

真っ赤になるヒナタに、構わず話し続ける

「だからよ…俺と…その…あれは…イヤだよなっ?」

ちょっと困りながらも、遠慮がちに頷くヒナタに

「だったらよ…ナルトに代わるってのは、どうだ?」

途端、さっきよりも更に赤くなって

卒倒しそうなヒナタを、支える


「なっ!俺が上手くやるからよっ」





つづく

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