02/19の日記

22:39
周知の事実 〜バレンタインSSーコテツ〜
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廊下を、挙動不審な行動で

ウロウロする 見知った顔を見掛ける


ナニやってんだか…


ちょっと脅かしてやろうと、気配を消して 背後に立った


「なにやってんだ?」


急にかけられた声に驚き


持っていた綺麗な包みを、落としてしまった彼女


後のゲンマを余所に


ちょっと嫌な音がして落ちたそれを
慌てて拾い上げ
中を確認する


彼女の肩口から、一緒に覗き込むと


ハートのチョコレートが、真っ二つ割れていた


やべぇ…


そっかぁ 今日は…


なんて考えると益々罪悪感が募り


俺は焦って、「スマン!」


そう何度も誤った


彼女は、涙目になりながらも
「ゲンマさんのセイでは無いです… 私がぼ〜っとしてたから… 」
と笑った


俺… マジ最低…


弁償を とか 代わりの物を
とか言い掛けたケド


どう見ても、手作りなそれに


代替品などは無く


今から作り直すのも、無理そうだ


「ホント、すまねぇ!」頭をめちゃめちゃ下げて
謝りながら


「これ、事情話して
渡して来てやるよ
コテツでいいんだろ?」


言った途端、ボッと紅くなり


「な、なんでっ…」


ワタワタし出す彼女を見て


「なんでっ、て…」


ガシガシと頭を掻いた


そこにカカシが通りかかり


「ナニやってんの」


意外な組み合わせに、不思議そうに近づいてきて


彼女の手元の惨状を見た途端


「ゲンマくん、ナニしちゃってんのかな?」


と、子供を叱る親のように「メッ」とゲンマを睨んだ


彼女の頭を、ヨシヨシと撫でながら


「大丈夫だよ、コテツ あんまこういうの気にしないと思うよ。貰えるだけで嬉しいと思うから」


また口にされた、その名前に
飛び跳ね 


頭から湯気の出そうな彼女を見て クスクスと笑うカカシ


そこにまた、ライドウとアオバが通りかかり


彼女とチョコレートを、交互に見たライドウが


「あぁ、コテツなら あっちだぞ」
と、資料室を指差した


彼女は、もう諦めたように溜息を吐き


「あ、あ、あの… 随分前の任務で… たっ、助けて頂いて… で、その… 優しくして頂いた、だけ… なんで…」


モゴモゴと口籠もりながら


もう居たたまれない様子で、うな垂れる


アオバは、彼女の腕を引くと


資料室に向かった


「あ、イヤ… あの… 私の事など… 憶えていないと… 思うんで…」


彼女は、ジタバタと必死に抵抗を試みるが あっさりと


資料室の扉は、勢いよく開けられ


「コテツ〜 呼んでんぞっ」
と、嬉々として大声を張り上げた


彼女の背中を押しながら、「大丈夫だから」
とウインクして見せるアオバを、不思議そうな顔で見ながらも


紅くなる頬を隠し 俯く彼女


「なんですかぁ〜」と間の抜けた声がして


イズモやシカマル達と、資料整理をしていたコテツが


奥から、顔を覗かた


こちらをチラリと見て
彼女の存在に気づくなり


ボッと火がついたように紅くなり、机に足をぶつりにけそうな勢いで立ち上がるコテツ





事の成り行きを、後ろで見守っていたゲンマは


「おまえらだけだよ、互いに気づいてねぇの… 」


カカシが、「回りにはバレバレなのにねぇ」なんて笑うから


その場に居た皆が、大きく頷いた





Happy Valentine


脇役スキー(^^)v

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