05/04の日記

23:33
痴話ケンカシリーズ 〜ヤマト〜 
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「君のその考えは、どうかと思うよ…」


彼女の意見を、否定した僕


静かに、彼女の胸内に火が灯る


「どうして…?」


「人は、それぞれ考え方が違う。それは、君も分かるよね?だったら、どっちが正しいかなんて
第三者が判断する事で…


「分ってる!」


強い口調が返ってくる


僕は、いつも後から後悔するんだ


ここで止めておけば… てね


でも、今回は 内容が内容なので


僕も譲れない


「分って無いよ。だって君は、そいつの事を庇っている訳だよね そいつが、そんなに君の信頼に足る人物なのかい?」


「もちろん!小さな頃から、ずっと一緒だったんだもん!アイツの事は、私が一番良く知ってる!」


「そこだよ…」


僕は、彼女の眉毛がつり上がるのを 見て見ぬふりをし
深い溜息を吐いた


「君は、その彼に どうしてそこまで執着するんだい?
君が首を突っ込む案件じゃ無いハズだよ
…今の君は、とても冷静な判断ができているとは 思えないな」 


僕は、僕の考えを理路整然と言ったつもりだケド


彼女には、伝わらない


「ヤマトには、分らないんだよ…」


彼女の握り締めた手が、震えている


「分らないよ。君の考えは、ただのエコヒイキだ
忍びは、それじゃあやっていけない…


ダンッ!!


彼女が、机を思い切り叩いたせいで


マグカップのコーヒーが、零れる


「分ってるって、言ってるじゃないっ」


言葉の語尾が震えている


あぁ… やってしまった… 


僕は、零れたコーヒーを拭きながら 内心焦る


「ヤマトは、いつもそう!なんでも正論でもっともで…」


今度は、彼女がデッカイ溜息を吐き


「でもね、 なんでもかんでも正論で人の気持ちが割り切れる訳無いでしょうがっ!
それとも、ヤマトは今まで正しい道しか歩いて来なかったのっ」


「いや…それは…」


腕組みし、眉間に色濃く皺を寄せる彼女は


普段の愛らしい彼女とは、別人で


思わず、怒った五代目を思い出してしまう


“女の人って…皆、こうなるのか…?”


なんて考えていた僕に


「聞いてんのっ!!」


またテーブルをダンッと叩かれた


「お、落ち着いて…コ、コーヒーが零れるよ…」


また、コーヒーを拭こうとした僕の顔を
テーブルから乗り出す勢いで、至近距離で見据えながら


「そんなに清いヤマトなら、私が上忍に上がり 小隊を組む時 何度も私を名指しで指名したり
カカシさんと一緒の任務にならないように
裏で手を回したり、してないわよねぇ?」


仰け反る僕に更に顔を近づけ


「しかも、泊まり込みの任務が入らないように なんだかんだと理由をつけ 火影様に上申したうえ
どうしても泊まり込みの任務になった時は、自分の後輩を見張りにつけたり… してないよねぇ?」


青褪める僕の頬を、ペシペシと叩いた


「…ごめんなさい…」


うな垂れ、小声でボソボソと謝る僕の頭上から
深い溜息と優しい手が下りてきて


「私こそ…ごめん… こんなの、八つ当たりだよね…」


優しく僕の髪を撫でる


僕は、おずおずとその背に手を回す


「ごめん…僕のも、嫉妬だ…」







end



☆コメント☆
[よみ] 05-23 22:14 削除

待ってましたぁ!
♪〜θ(^0^ )

ヨッ!!
ヤマトだね〜(笑)

なんだか、私がスッキリしてます!

たくさん拍手です\(^ー^)/

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