05/07の日記

23:46
痴話ケンカシリーズ 〜ナルト〜 
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「 どうしたの?食べないの? 」


ニッコリと微笑む彼女


2人が暮らすキッチンのテーブルには、俺の好きなおかずばかりが並んでいて


なんだかいつもと違う不意気に、恐る恐る声を掛ける


「 あ、あの… 」


でも彼女は、気にした様子も無く


「 食べてみて!食べてみて!この肉じゃがは、イマイチかもしれないケド
ハンバーグは、上手くできたんだよ 」


といつも使ってる、ペアの箸を強引に渡された


俺は、言われたままおずおずと箸を伸ばす


「 ハ…ハンバーグ… 」


思わず呟いた言葉に


「 なに…? 」


なんて綺麗に微笑まれて


口に含んでいたハンバーグが、喉に突っかえゲホゲホと咽た


「 あれ?ハンバーグ、口に合わなかった?学食のよりは、味がいいと思うんだケド… 」


その言葉に、お茶で流し込もうとしていたその水気ごと全部吹き出しそうになり


ゲホッゴホッガハッ


身体を屈め、盛大に咳き込んだ 


苦しくて、急いで深呼吸し
息が整う間も待たず、慌てて言葉を絞り出す


「 あ、あれは… ち、違うんだって… 」


「 何の事…? 」


ヤバイ… 完璧怒ってる…


しかも、カナリな勢いで…



事は、数時間前に遡る


今日、俺はランチ合コンてぇの?に参加した


正確には、強引にさせられたんだケド


彼女ができてからは、その手の誘いは全部断っていた


嘘じゃナイ!マジでキバに急遽の人数合わせに引っ張り出されたんだってっ!!


…なんて、俺の心の叫びなどお構いなく


「 いくらハンバーグ好きでも、立て続けじゃ飽きちゃうかな? 」


またニッコリと微笑まれて


こ、こえぇ…


「 あ、あれは… キバにどうしてもって泣きつかれて… 」


彼女の顔つきが変わる


「 ふ〜ん… ナルトは、お願いされたら何でもするんだ… 」


「 あ、イヤ… そう言う訳じゃ… 」


うな垂れる


「 じゃ、言い方を換えようか? 
ナルトは、私よりキバ君を取るんだね 」


「 そ、そうじゃねぇよっ 」


ガバッと顔を上げた俺に


「 でも、結局は頼まれて参加しちゃったんでしょ? 」


その笑顔… いつもすんげぇ可愛いのに


なんだか今日は、黒い何かがダダ洩れてるようで


ゴクッ思わず生唾を飲み込んだ


「 私が、今日休講だからいいやと思った?それとも、学食だから気軽に参加しちゃった? 」


「 イヤ… 」


あり得ないほど、姿勢を正した背筋にイヤな汗が伝う


俺は、座っていたイスを蹴り倒し


「 ご、ごめんなさい… 」


土下座した


「 やめてよナルト〜 私、怒ってナイからぁ 」


イヤ、怒ってるでしょ… 完全に… 


「 大丈夫。私これから、同じ学部の打ち上げに行ってくるから〜 」


「 へっ…? 」


頭を上げた俺に、やっぱり笑顔で


「 サスケくんやシカマルも来るって言うし 」


シカマルと、サスケェェ!!


「 カカシ先生からも、ぜひにって誘われちゃってるしね 」


あのエロ教師は、ダメだっ!!


俺の心配など他所に


ごめんね なんて可愛く舌出して


ダメでしょう…


「 じゃあ、帰り何時になるか分らないから 先に寝ててね 」


ウインクまでして


ウキウキとした様子で、口紅なんかつけだしちゃって…


スッカリ準備を整え、部屋から出て行こうとするその腕を掴んだ


「 ダメだ… 」



俯く俺のひと際低い声に


「 なんで…? 」


彼女も冷静に返す


「 俺がイヤだから… 」


「 自分ばっかりっ


反論しようとした彼女を、思いっきり引き寄せる


馬鹿ナルトだの自分勝手だの浮気者だの


俺の胸内で散々悪態をつき暴れる彼女をギュッと抱きしめ口づける


唇を離すと、また抱きしめ


彼女の肩に額を乗せる


「 ごめん… 自分勝手なのは分ってる…
でも、行かないで… 」


そう擦れた声で呟いたら


「 ズルイよ… ナルト 」


彼女の腕が、俺の背に回り ギュッと抱きしめ返された







end

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