09/03の日記
01:38
sep 15・22 様へ 提出
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『 04. お は よ う 』
朝の淡い光を瞼に感じ目を覚ます
少し肌寒くて、手近にあるであろう薄手の布団を手さぐりで探すが
そこにあったのは、他人の温もりで…?
不思議に思い、起き上がった俺の視界には
探していたはずのその布団にシッカリと包り
ベットのスミに、まるでみの虫のように丸まるその物体で
俺は、まだ覚めきらない頭でボンヤリとそれを眺めた
徐々に、朝靄が晴れる如く 自分の思考回路も繋がってゆく
「 そうだ… 俺… 誕生日だったんだ… 」
“ 俺の誕生日に… おまえをくれ… ”
途端、思い出した場面にボッと赤くなる顔を慌てて手で覆った
よくそんなクサイ言葉が吐けたもんだ…
自分で自分の言動が信じられない
そんなキャラだったか…? 俺…
こっ恥ずかしくて、後から後から沸き上がる羞恥心に 必死で耐えた
「 そんだけ、必死だった て事だよなぁ… 」
一通り落ち込み、自己完結した後… 溜息を吐いた
少し落ち着いてくると、今度は別の感情が沸き上がり ドクドクと心拍数が上がる
「 朝から、心臓が保たねぇ… 」
隣でスヤスヤと眠るその寝息に従い、上下する布団を見つめ
少し躊躇ってから、恐る恐る捲ってみる
「 夢じゃねぇ… 」
現れたその横顔を、マジマジと眺めると
「 すげぇ、誕生日プレゼントだな… 」
思わずその頬へ指を伸ばした
そっと触れ、確めるように親指で 頬のカーブをなぞると
無意識に、擽ったそうに身を竦める
「ネコみてぇだな… 」
緩む口元を、手で隠す
少しでも気を抜くと、だらしが無くどこもかしこも緩みそうで
「 どんだけ嬉しいんだ… 俺… 」
頭を掻いた
う〜ん…と身動ぎながら、俺の方に寝返りをうってくる
その距離は、グッと近づき 布団に包まれた前髪がサラリと流れた
額に薄っすらと汗を掻き寝苦しそうなその様子に
「 夏は終わったつっても、まだ9月だぞ… 」
グルグルと巻きついた布団を剥がしてゆく
熱の籠った布団から解放され、彼女の表情が少し和らいだ
その額の雫を、そっと拭っていると 露わになった細い肩が目に入りドキリとした
色の白いその肌の、鎖骨辺りにある紅い痣を見つけ
蚊にでも刺されたのか…?なんて暢気に思っていたら
その痣を首筋にも見とめる
よく見ると、それは無数に散らばっていて…
“ 俺かっ…!? ”
瞬時に身体中の熱が、すべて顔に集まったような熱さに パタパタと自分の手で仰ぐ
「 …どんだけガッついてんだよ …俺 」
ベットに突っ伏した
もう、すぐ傍にある彼女の体温が熱いのか
自分の身体が熱いのか、分らない
だが、ずっと欲していたものを 手に入れた充足感が
現実として、足先から身体中を駆巡り
思わず、彼女を胸に包み込んだ
やっと、コイツを手に入れたんだ…
やっと…
長かったこれまでの事が思い出される
ずっと俺は、コイツが好きだった
いつからか と聞かれると、生まれた時からだと思う
こんな事を言うとキバ達が「シカちゃんクサイよ… おとぎ話の王子じゃあるまいし…」と露骨に嫌そうな顔をするのだが
ホントの事だから仕方ねぇ
物心付く前から一緒にいて、ずっと見てきたんだ
いつから、なんて区切りがついてたら
ずっと幼馴染なんてポジションに甘んじていなかった
俺の好意は、アイツも気づいていたハズだ
でも、成長するにつれ“幼馴染”なんて言葉は 足枷にしかならず
そっから、どう踏み出していいのか ちっとも分らなかったし
その安全圏から、出る事は すげぇ勇気がいった
結局、他の男を選んだアイツに 俺は責める事もできず
「 良かったな… 」そう言うのが精一杯だった
あん時の、コイツの悲しそうな顔に
言葉足らずの俺が、もっと何か言えていたなら
こんな遠回りは、しなかったよな…
不甲斐ない自分を今更悔いた所で、どうしようもナイ
「 ヘタレ過ぎだ… 」
コメカミを抑える
「 たくっ…めんどくせぇ… 」
いつもの口癖が口を吐いた
俺は、意を決したように 彼女を包み込む腕にギュッと力を込める
「 もう離さねぇから… 覚悟しとけよ… 」
微かに身じろいだ彼女が
『 … おはよう 』
恥ずかしそうに、微笑んだ
「おまえ、…いつから起きてた…?」
「…誕生日だった…あたりから 」
「 … !! … … ハズい… 」
end
シカマル Happy Birthday
サブ題は、ドギマギするヘタレ鹿です(^^ゞ
sep 15・22 様 へ 提出
駄文で、すみませんm(__)m((汗
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