09/03の日記

01:38
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『 04. お は よ う 』




朝の淡い光を瞼に感じ目を覚ます


少し肌寒くて、手近にあるであろう薄手の布団を手さぐりで探すが


そこにあったのは、他人の温もりで…?


不思議に思い、起き上がった俺の視界には


探していたはずのその布団にシッカリと包り


ベットのスミに、まるでみの虫のように丸まるその物体で


俺は、まだ覚めきらない頭でボンヤリとそれを眺めた


徐々に、朝靄が晴れる如く 自分の思考回路も繋がってゆく


「 そうだ… 俺… 誕生日だったんだ… 」


“ 俺の誕生日に… おまえをくれ… ”


途端、思い出した場面にボッと赤くなる顔を慌てて手で覆った


よくそんなクサイ言葉が吐けたもんだ…


自分で自分の言動が信じられない


そんなキャラだったか…? 俺…


こっ恥ずかしくて、後から後から沸き上がる羞恥心に 必死で耐えた


「 そんだけ、必死だった て事だよなぁ… 」


一通り落ち込み、自己完結した後… 溜息を吐いた


少し落ち着いてくると、今度は別の感情が沸き上がり ドクドクと心拍数が上がる 


「 朝から、心臓が保たねぇ… 」


隣でスヤスヤと眠るその寝息に従い、上下する布団を見つめ


少し躊躇ってから、恐る恐る捲ってみる


「 夢じゃねぇ… 」


現れたその横顔を、マジマジと眺めると


「 すげぇ、誕生日プレゼントだな… 」


思わずその頬へ指を伸ばした


そっと触れ、確めるように親指で 頬のカーブをなぞると


無意識に、擽ったそうに身を竦める


「ネコみてぇだな… 」


緩む口元を、手で隠す


少しでも気を抜くと、だらしが無くどこもかしこも緩みそうで


「 どんだけ嬉しいんだ… 俺… 」


頭を掻いた


う〜ん…と身動ぎながら、俺の方に寝返りをうってくる


その距離は、グッと近づき 布団に包まれた前髪がサラリと流れた


額に薄っすらと汗を掻き寝苦しそうなその様子に


「 夏は終わったつっても、まだ9月だぞ… 」


グルグルと巻きついた布団を剥がしてゆく


熱の籠った布団から解放され、彼女の表情が少し和らいだ


その額の雫を、そっと拭っていると 露わになった細い肩が目に入りドキリとした


色の白いその肌の、鎖骨辺りにある紅い痣を見つけ


蚊にでも刺されたのか…?なんて暢気に思っていたら


その痣を首筋にも見とめる 


よく見ると、それは無数に散らばっていて…


“ 俺かっ…!? ”


瞬時に身体中の熱が、すべて顔に集まったような熱さに パタパタと自分の手で仰ぐ


「 …どんだけガッついてんだよ …俺 」


ベットに突っ伏した


もう、すぐ傍にある彼女の体温が熱いのか


自分の身体が熱いのか、分らない


だが、ずっと欲していたものを 手に入れた充足感が


現実として、足先から身体中を駆巡り


思わず、彼女を胸に包み込んだ


やっと、コイツを手に入れたんだ…


やっと…


長かったこれまでの事が思い出される


ずっと俺は、コイツが好きだった


いつからか と聞かれると、生まれた時からだと思う


こんな事を言うとキバ達が「シカちゃんクサイよ… おとぎ話の王子じゃあるまいし…」と露骨に嫌そうな顔をするのだが


ホントの事だから仕方ねぇ


物心付く前から一緒にいて、ずっと見てきたんだ


いつから、なんて区切りがついてたら


ずっと幼馴染なんてポジションに甘んじていなかった


俺の好意は、アイツも気づいていたハズだ


でも、成長するにつれ“幼馴染”なんて言葉は 足枷にしかならず


そっから、どう踏み出していいのか ちっとも分らなかったし


その安全圏から、出る事は すげぇ勇気がいった


結局、他の男を選んだアイツに 俺は責める事もできず


「 良かったな… 」そう言うのが精一杯だった


あん時の、コイツの悲しそうな顔に 


言葉足らずの俺が、もっと何か言えていたなら


こんな遠回りは、しなかったよな…


不甲斐ない自分を今更悔いた所で、どうしようもナイ


「 ヘタレ過ぎだ… 」


コメカミを抑える


「 たくっ…めんどくせぇ… 」


いつもの口癖が口を吐いた


俺は、意を決したように 彼女を包み込む腕にギュッと力を込める


「 もう離さねぇから… 覚悟しとけよ… 」


微かに身じろいだ彼女が


『 … おはよう 』


恥ずかしそうに、微笑んだ






「おまえ、…いつから起きてた…?」


「…誕生日だった…あたりから 」


「 … !! … … ハズい… 」







end



シカマル Happy Birthday



サブ題は、ドギマギするヘタレ鹿です(^^ゞ


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駄文で、すみませんm(__)m((汗

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