12/09の日記
00:05
5.狼まであと何秒? 〜ガイ〜
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酒場独特のガヤガヤと騒がしい周囲に負けず劣らず
一際大きい声とオーバーアクション
嫌でも、そこに彼が居る事が分る
私は、ワザと目立たないように 彼とは真逆の隅の席に座っていた
ホントは、この飲み会も 参加したく無かったんだケド
アンコさんやシズネさんが、どうしてもと言うので 仕方なく参加した
「 あっははっ 今日は、負けないぞ!!カカシ勝負だっ!! 」
嫌が負うでも、彼の声が耳に届き 気分が沈み込む
そんな私を、見かね
「 まぁ、飲みなよ 」
アンコさんのお酌を受け コップに並々と注がれた琥珀色の液体を 一気に流し込む
それでもまだ足りなくて、一人手酌でまたコップに液体を注ぐ
「 なんでかねぇ… てっきり上手くいくと思っていたのにねぇ 」
アンコさんの溜息に、シズネさんも頷く
「 もういいんですよ… 」
力なく答えた私に、隣に居たゲンマさんが口を挟む
「 まぁ… まだ、分んねぇかもよ 」
「 そんな気安め… 」
私は、数日前 彼… ガイに告白した
それまで、傍から見ても 仲の良い私達の関係に
間違いない 大丈夫だ と 皆に背を押され
決心して告白したその答えは
「 すまない… ナオを、そういう風に考えた事が… 」
と言う、なんとも歯切れの悪い尻切れトンボのような言葉だった
どんな言葉でも、失恋には変わりない
それから、ずっと定位置だった彼の横から 私は消えた
「 さて、そろそろ宴も盛り上がってきましたんで
ここら辺で ゲームをしたいと思います 」
幹事のアオバさんが叫ぶと同時に
何本もの割り箸が入った茶封筒が回ってきた
「 宴会の王道… 王様ゲームです 」
女性陣からのブーイングも聞こえる中
ゲームは始まり
王様は、アンコさん
「 そうだねぇ… 1番が7番を …お姫様抱っこしてもらおうか 」
アンコさんの言葉に、ギクリと震えた私
1番は、ライドウさんで
「 7番誰〜だ 」
私は、恐る恐る手を上げる
ライドウさんは、ごめんね と何度も謝りながら 軽々と私を抱き上げた
回りから いいぞー とか もっとくっつけ とか 野次が飛ぶ
それから、なぜか引かれる番号はずっと私で
コテツさんと、茶碗蒸しを あ〜んと食べさせ合いしたり
ゲンマさんに、跪かれて手の甲にキスされたりした
「 次〜 カカシさんが王様 」
カカシさんは、私を見てニヤリと笑って
「 21番は、王様とキス 」
カカシさんが、私を手招く
なんで分ったんだろう…? 21番…て
とも思ったが、カカシさんが
「 ナオちゃん、キスはディ―プでお願いね 」
なんてウインクするから… ビックリして
思わず、彼の方に視線を泳がせてしまった
ガイは、こちらに背を向け お酒を煽っていた
私に、感心なんてナイんだな… 分ってたケド胸が痛む
「 さ、ナオちゃん… 」
両手を広げて迎えるカカシさん
少し戸惑ってから、その胸に飛び込む
ヒューなんて囃し立てる口笛も無視し
カカシさんの顔が、近づいてくる
どうしよう… なんてこの状況でもまだ考えてる私の視界に
なぜか、必死な形相のガイの顔が映り込み
「 カカシーーーっっ!! 」
聞き覚えのある雄たけびと共に、私の身体はガイの腕の中で
「 それは、俺が許さんっ!! 」
なぎ倒されたカカシさんは、肩で息するガイに
「 俺は別にどっちでもよいよ… ガイにその気があるなら コレ…譲ろうか? 」
持っていた王様の割り箸を、差し出した
少し戸惑ってから、それを受け取ると私に向き直る
いつも浅黒い肌が、赤く染まり 暫く あ〜だのう〜だの口籠っていたが
意を決したように
「 俺でいいか… 」
汗を掻きながらも、真剣な瞳に問われ
私は、頷く代わりに 目を閉じた
5.狼まであと何秒?
(アンコ:最初っからサッサとくっつけばいいのに…
ゲンマ:しょうがねぇだろ、あの人恋愛事疎いから
カカシ:ねぇ…俺だけ損な役じゃナイ?
アオバ:まぁカカシさんは、永遠のライバルなんで… )
end
なるぽ様に捧げます
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