07/17の日記
23:11
コラボSS 〜イタチ夢〜
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『 大切な言葉は、言えないもの… 』
「 … ちょっ、ちょっと、ちょっとまってっ 」
思わず、両手でイタチの胸を押しやると
密着していた2人の間に隙間ができ
不服そうなイタチの紅い瞳が、咎めるように私を見下ろす
長い沈黙の後
イタチは、私の抵抗する手を容易く拘束し
シーツに縫い付けるように ギュッと抑え付ける
ゆっくりと近づくイタチの顔
キスをされる… ギュッと堅く閉じた瞼に
溜息と、柔らかな感触
「 なんだ…?今更、そんなつもりじゃ無かった… とでも言う気か… 」
薄く笑って、今度は 私に見せるように
そっと、瞼の淵から 目頭にかけて数度口づけると 私の髪を撫でた
その手は、体温の低いイタチのものとは思えない程温かく
そっと、そっと、触れてくる優しさは 確かに感じるのに
冷淡な笑みを湛えた端整な顔は 容赦無くて
「 無駄な抵抗はするな… 酷くされるのが好きなら、それでも構わないが 」
「 バっ!バカじゃ…
罵声を浴びせようとした口は塞がれ、長い長い口づけに
溜まらず、酸素を吸いこもうと開けた隙間から
イタチの舌が入り込み、私の口内を まるで甘い桃でも食むように貪り
楽しむように、目を細めた
どうしてよいか分らなくて、流されるままの私とは逆に
落ち着きはらい、何を考えているのか なんの感情も読み取れないイタチに焦る
今まで、見た事も無い強引なやり方で 私の内に深くに入り込もうとする訳が分らない
混乱する私は、酷く戸惑い
緩んだ拘束から手を抜き
小刻みに震える自分の肩を抱きしめる事しかできなくて
涙が、溢れそうになった瞬間
唇は離れ
「 俺が、怖いか… 」
覗き込まれるように問われる真っ直ぐな眼差し
…怖い訳では無い
ずっと、兄のように思い 憧れていたのだ
冷たい印象と、恐ろしく頭が良く ソツの無い態度に倦厭されがちだが
優しい眼差しと 包み込むような温かさを 私は知っている
でも、それは
もう、合う事もない と話していた弟と 年近い私を重ねているのだと
そう思っていた… なのに…
尚も混乱する私の頬を、イタチの長い指が撫でる
「 おまえは、ただ 俺に身を任せていればいい… 」
強引な言葉とは裏腹に、泣きそうなその眼差しを隠すように
私の肩口に顔を埋めたイタチ
今日、私は 他の男性に告白された
顔見知りで、印象も悪く無かったその人に
どういう返事をしたらよいものか…と イタチに相談をしていた
確かに、最初は驚いたような顔をしていたが
それが、こんな事になるなんて 思いもしなかった
どっからどうしてこうなってしまったのか…
「 余計な事は、考えるな 」
諭されるように、耳元で囁かれるが
そんなのは、無理な話で
グルグルと考えてしまう
イタチの手が、上着の裾から潜り込み
脇腹を撫でられた瞬間、ハッと我に返る
「 ちょっと、ちょっと、待って 」
「 なんだ… 」
怪訝な表情で返され
“待って”の先の理由を考えていなかった私は、途端にモゴモゴと口籠る
それを、何事も無いように受け流し コトを進めるイタチ
ブラウスのボタンを外すその指を凝視する
イタチの指ってホント綺麗 爪の形さえもキチンと整っていて
私、手の綺麗な男の人って 凄く理想のタイプなんだよなぁ
なんてボンヤリ見ていたら
全部外されたボタンから肌ける自分の肌に 逃避していた思考が現実に引き戻る
慌てて
「 まっ、待ってっ 」
大きな声を張り上げた
「 今度は、何だ 」
眉間に皺の寄るイタチの顔に
怒りたいのはこっちだ と1人愚痴る
そもそも、こんな事は 恋人同士がする事で
一夜の遊びで なんて、そんな軽い考えは私には無理だ…
イタチにしたって… あれ?
イタチにしたって、そんな事考える人じゃ無いよね
そんな器用な事が出来るなら、彼女の1人や2人
それこそ、言い寄ってくる女性は 山ほど居るのだ
そんな相手には、困らないだろうが その形跡は微塵も無い
ならば… なぜ…?
私の考えなど、見透かしたように
小さくクスクスと笑うと
視線を合せてから、まるで誓いのように おでこにキスをされた
「 イタチ… 私の事… 好き…なの…? 」
「 さぁ、どうだかな… 」
なぜか、満足そうな顔で 口づけられた
大切な言葉は、言えないもの…
言葉など軽い…
そんな不確かなものより
俺を感じろ…
end
正式には、初イタチ夢書きです(以前のコラボや本当に短いSSとか以外)
イタチ… どうですかねぇ… イケてますでしょうか?←心配((汗
このSSは、某コミュのお仲間さんと お題を出して書き合った(?)ものです
いつも書くキャラじゃ無いのですが、なんだか楽しかったです
ゆなさん・雛さん thank youで〜す\(^o^)/Love
お二人の作品は、後ほどupします
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