09/23の日記

22:57
無邪気な悪魔 〜ナルト〜
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無邪気な悪魔
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35分待ちの列に並び 


まだかなぁ〜 なんて欠伸しながら列の前方を確認した時


余りの衝撃に、そのまま口が暫く閉まらなかった


私の目線の先には、


金髪に青目の人物が、このアトラクションの制服を ちょっと着くずして羽折り


かもすると、ズングリムックリになりそうなそのパンツも


多分、彼の足の長さからして 少し丈が短いのだろう 


誤魔化すように、裾をグルグルと巻くしあげ履いている


青年と言うには、まだあどけない 男子が立っていた


遠目から見ても、スタイルの良さが分る程で


背はそれほど高くはないが


足や手の長さ、のバランスがよくて


メイサイ服の半袖から覗く二の腕の筋肉が、マッチョでもひ弱でも無く とても良い感じで


思わず、ニヤリとほくそ笑んでしまった


何!?あの人っ!凄い反則なんですケド…


1人で舞い上がり、赤くなる頬をギュムギュムと抓る


そうでもしないと、自分の表情筋はだらしが無く緩み


傍から見たら怪しいヤツだと思われる


すでに、一緒に来た友達が 白い目でこちらを見ているが


そんな事全くノープロブレム!


私は、その後の待ち時間を 彼の姿をガン見して過ごした


だんだんと近づくその距離に


友人が話しかけてきている事などそっちのけで瞳に焼きつける


写真が撮りたい!!と勢い込んだが


あれだけの風貌だ、似たような事を考える女子はいっぱいいるようで


「 ごめんてばよっ 写真は、ダメなんだ 」


と申し訳なさそうに頭を掻いて断っていた


そんな姿も愛しい…



とうとう、私達の順番になり


「 ハイ、全部で何名様ですか? 」


まるで“ニッコリ”という擬音がつきそうな笑顔で微笑まれ


私のハートは、瞬時に射抜かれた


もうマジで、キューピットの矢がガッチリとくい込んでビクともしない感じだ


思わずボ〜ッと見とれる私に


隣から、友達が訝しげな顔で私を覗き込んだ後 溜息と共に


「 2人 」と代わりに答えた


その友達にも、笑顔で


「 2名様ですね。では、次になりますので 少々お待ち下さい 」


またもやスマイルで


傍に並ぶ小さな女の子に、バイバイと笑顔で手まで振っていて


確実に、子供じゃ無くて お母さん喜んでるよねぇ…


全く、どこまで惜しげも無く この極上スマイルを振りまくのだろう


そう言えば、このアトラクション… 女性が多いような…


確認するように、辺りを見回していると


傍から、キャーキャーと騒ぐ修学旅行の女子中学生


そんな状況でも、嫌な顔せず笑顔で


偉いなぁ… そんな彼を、じ〜っと見ていたら


「 俺の顔に何かついてる? 」 


急に視線を合わされ、真剣な眼差し


昼飯のご飯粒とかか?それとも、さっき摘み食いしたポップコーン?とかブツブツと言いながら、口元や頬を擦った


そんな天然な所もまた私をキュンキュンさせる


待ち時間の間 目の前の私達に


「 今日は、暑いねぇ 」「 たくさん乗り物に乗った? 」など、他愛無い言葉がかけられるが


私は、そのどれもに答えられず


なんだか自意識過剰な程、彼を意識する自分が恥ずかしくて 俯く事しかできなかった


そんな私を気にして


「 どうしたの?具合悪い? 」


下から覗き込まれ マジ心臓が口から出そうになる


なんとか、大丈夫と手をブンブンと振り


調度順番がきた為 船に乗り込もうとした時


「 ホント、大丈夫? 」


背を撫でられ、思わず飛び上がりそうになった


それでもなんとか頷いた私を見て


彼は、そのまま 私の手を取り


なぜか、自分の斜め後ろ辺りに寄せ


「 船との隙間が開いていますので、気をつけて下さいね 」


と、乗り込む乗客に笑顔で言いながら 一人一人片手を添えていく


もう片方はというと、なぜか私の手を握っていて


もう、身体中の血液が沸騰するかと思うほど赤い私


最後の乗客に手を貸した後


サブスペースに、クッションを出し


私に向き直ると


「 サッ、どうぞ 」


と握っていた手を引かれた


「 あれ?顔が赤いケド、大丈夫? 」


言われたと同時に、おでこに感じる他人の体温


どアップな青い目がクルクルと動いていて


おでことおでこを合せたんだ なんて脳が把握する前に


それは、スグに離れていってしまい


「 大丈夫だねっ 」


ニッコリスマイルで腰を抱かれ


エスコートするように、船に乗せられる


 … このアトラクション利用の女性率が
めちゃくちゃ高い事が、分った気がする


私は、一生懸命な船長さんのガイドなど耳に入ることも無く


頭の中ではもう、教会の鐘が鳴っていた





 ――― 無邪気な悪魔






「 あぁ… また、ナルトの天然タラシの犠牲者が増えたよ… 」

「 今日だけで、何人目だ…? 」

同僚が、小声で囁いた












end






某テーマパークのキャストのバイトをしているナルト という設定でした


さて、なんのアトラクションでしょう〜(笑)

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