07/24の日記

01:17
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風呂からあがり、濡れた髪をタオルで拭きながら時計を眺める


深夜になりつつあるその時刻に


「 遅いなぁ… 」


ボソリと呟いた言葉に、自分の器が小さい気がして


また、ガシガシと頭を拭った


今夜シカマルは、飲みに出掛けている


めんどくせぇが、どうしても断れなかったから ちょっと顔出したら スグに帰ってくる


そう言っていたが…


ベットに無造作に投げてある いつもの愛読書を手に取ると


ゴロンと横になった


数ページめくったあたりで


外が騒がしくなり 玄関の呼び鈴が鳴った


戸を開けると、ヨタヨタしながらも上機嫌なシカマルと申し訳なさそうなライドウさんがいて


「 悪いな、カカシ  飲ませ過ぎちまった 」と荷物でも渡すように シカマルを引き渡された


滅多に無い事に、驚いている俺を尻目に


「 まぁ、怒らないでやってくれ コイツはサッサと帰るつもりだったんだろうが、コテツ達がおまえとの事を根掘り葉掘り聞き出そうと絡んでな 」


あぁ… 目に浮かぶ光景に、苦笑いしかできない


丁重にお礼をし、ライドウさんが帰った後


シカマルは、靴を脱ぎキチンと揃えると


ヨロヨロとした足取りで台所に向かい、水を飲もうとして立ち尽くしていた


出しっぱなしの蛇口を閉め


食器棚にあるいつものシカマルのコップに、冷蔵庫から冷えた水を注ぎ差し出すと


ニコッと擬音が聞こえそうな、子供のような笑顔で微笑んで


嬉しそうにそれを飲干した


シカマルのこんな顔… 久しぶりに見たかも


いつも大概眉間に皺を寄せ「あんたなぁ…」と半ば呆れて俺を睨む


そんな顔しかここんとこ見ていない俺には天使に見える 


なおもヨタヨタ歩き出すシカマルを背後から抱きしめ


「 大丈夫? 」


そう聞いたのは俺の方なのに、なぜか逆に頭をポンポンとされ


そのまま自分の肩口に俺の頭をもっていき、自分の頬をグリグリと押し付ける


これは、いったいなんのプレーなんだ…


シカマルが、酒に席に出る事は殆ど無い


小さな頃から、母に言われて飲み屋にシカクさんを迎えに行くのが役目だったシカマルは


大人達ののんべぇぶりや、行く度に絡まれる絡み酒に


自ずと酒を避けてきていた


まぁ、ただ単に シカマルいわく めんどくせぇから


ダケなのかも知れないが


そのシカマルが、ここまで酔う事は珍しい… イヤ


初めて見た


「 風呂 」


短い単語と共に、風呂場に向かうシカマルの背に


再度、「 大丈夫? 」


問いかける俺の言葉を、後ろ手にヒラヒラと手を振り


風呂場に消えていった


俺は、溜息を一つ吐くと


ベットに戻り、また愛読書を開いた



シャワーを済ませたシカマルが、先ほどよりはシッカリした足取りで近づいてくる


それでも、濡れたままの長い髪をそのままに俺の横にちょこんと座った


ベットから起き上がり胡坐を掻くと、その間にスルリと入り込んでくる


いつもは、「おいで」「ヤダ」を何回も繰り返さないとこんなふうに触れさせてはくれないのに



目の前にある濡れた髪を、タオルで拭いていると


「 くすぐってぇ 」さっきのように無邪気な笑顔で俺にすり寄ってくる


ホント、今日はどうしちゃったんだか…


「 コテツ達に、何言われたの? 」


なんの気無しに言った言葉に、背後からでも分かる程過敏に反応し


「 な、なっ、何… も… 」













 

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