04/24の日記

19:51
存在  ※閲覧注意
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※エロ表現ありです。閲覧自己責任にてお願いします







「ゲンマには、関係ナイでしょ」


殺気を含んだ鋭い視線


「まぁ、確かに 関係ナイですがね〜」


千本を、咥え直しながら


「でも、放っても置けないんで」


写輪眼のカカシの殺気を、全身で受け留める


俺は、隙のできたカカシさんの腕を振りほどき
ゲンマさんの傍に隠れた


「ふ〜ん… 俺より、ゲンマを選ぶ訳ね…」


回りの空気が温度を失うほど、冷淡なカカシさんの視線


なのに、その指先が密かに震えているのに気づいて


堪らなくなった…


今すぐ、抱きしめて 
カカシさんの、広い それでいて驚くほど華奢な背を
擦りたかった


過去から何層もつけられた心の傷が


抉られ痛んで血を流している


過去を思い出し、“またか…” なんて思っちまってるだろう


ずっと、騙したり騙されたり 裏切ったり裏切られたりの中で生きてきた人…


この関係になってから、知った事がある


夜中、寝ながらも 子供のようにハラハラと涙を流すカカシさん


酷く何かにうなされていたり


眠ると嫌な夢を見る と、一晩中 眠らずにいたり


寝てる俺を、痛いくらいギュッと抱きしめて 「…ごめん」と何度も擦れた声で呟いたり 


そんなこの人を、俺が1番よく知ってたのに…


ボロボロになって、もう大切なものなど作らないように 自分の感情を殺して
いろんな事を諦めて
人と深く関わらないように生きてきたこの人が


こんな俺を、好きになってくれて
大切にしてくれた


その俺が、こんな仕打ちをこの人にするなんて


自分で決めた事ながら、決心が揺らぐ


でも… あいつらの事は 知られる訳にはいかない



―“畑カカシを恨む理由?”

聞いた俺に、奴等は 薄く笑って

こいつは、任務中 カカシに見捨てられて片足失くした

そいつは、彼女を色任務の囮につかわれ 精神的に病んだ彼女は 自ら命を絶った

アイツは、兄弟を

まぁ、後はどいつも似たり寄ったりだ

親を、友を、自身を…

その恨みは、どれも根深い―


それが、逆恨みや 自身の過失だったとしても


現実を受け入れられず
人を恨む事で、その命を繋いでいる者や


それを糧としてしか、生きていけない者


そんな人間が、存在する事も 長くこの稼業をやっていれば、分かっていた


もう、これ以上


この人を傷つけたくは、無かった


もし、今の俺の状況を知ったら
深く深く傷つくだろう


そんな事は、絶対に避けたかった


俺は、思ってたんだ


夜、カカシさんを苦しめる それらの事が
段々少なくなっていって


アホみたいに、嬉しそうに 俺を抱きしめて 甘やかしてくれる
カカシさんの笑顔に…


俺と一緒に居る事で、カカシさんの 背負ってるもんや 闇の部分が
少しは、楽になる手助けが 出来てるんじゃねぇかと


自惚れでもなんでもいい


そう思ってたんだ…


もう あの頃のカカシさんには
戻って欲しくない


だから、絶対に
知られては、いけない


俺は、隠し通すと決めたんだ


今更、揺らぐな


自分を叱咤し、カカシさんを睨む


カカシさんは、暫くゲンマさんや俺に向けていた殺気をスーッと引き


俺達に、いつも通りの猫背を向けると 両の手をポケットに突っ込み


何も言わず、その場を後にした


俺は、その背を 見えなくなるまでシッカリと目に留め


カカシさんの気配が完全に消えた瞬間


その場にしゃがみ込んだ


ゲンマさんが、心配そうに俺の頭を撫でる


こんな事に巻き込んじまって、謝っても謝りきれない


なのに、何も聞かないこの人らしさに


泣きそうになった



そっから、カカシさんとの接点は無くなった


俺が、以前望んだ通り


カカシさんの方から、俺に会わないように 立ち回ってくれているらしい


流石上忍… ホントに、少しも姿を見かけない


あれほど、カチ合ったりしたく無いと 避けて
その存在を、拒否するかのような態度をとり続けていたくせに


今は…


こんなにも、会いたくて


一目でもいいから、姿を見たいと思っちまう自分が


どんだけ自分勝手で、欲深いんだ と笑える


ちょうど、任務が一緒になったキバが アホみたいなギャグを連発してたから


面白くなど無かったが、思いっきり笑ってやった


大声で笑えば、少しは気が紛れるかと思ったのに


俺のもくろみは、ハズレ


なんとも言えない虚しさだけが残った


朝ので、気を良くしたキバが 任務後もずっとそのギャグを口にするので


「うざい…」バッサリと切り捨てたら「ヒデェ〜」と泣きつかれた


俺の勝手で、ただ利用され 八つ当たりもされるコイツに 申し訳なくなり


「報告書も出したし、飯でも奢るぜ」そう言うと
ホント犬みたいに尻尾を振る勢いで


「俺、肉がいいっ 肉っ」


そんなやり取りの最中


背後から、気配を感じる


密かに揺れた肩を、キバに気づかれないようにした


「わりぃ、キバ 奢るの 今度な…」


踵を返し、足早に立ち去る俺に キバの罵声は聞こえなかった


気配の傍まで近づくと


そいつに、便所に連れ込まれた


有無を言わさず、個室に押し込められ


狭い空間に、デカイ図体の男が2人


まさかな… と思った俺の耳に


「さっさと突っ込ませろ」


最悪のセリフが聞こえた


「こ、ここ 上忍待機室の傍だぞっ」


声が上擦るが、相手は 関係ないとばかりに


俺のズボンに手をかける


「まっ、待てって…」


抵抗を試みるが


「そう言えば、カカシと待機室で会ったなぁ…」


なんて、ニヤリと笑いやがって


俺は、拳を握り締め 舌打ちすると


ズボンと下穿きを脱ぎ、壁に手をついた



便所内に、グチュグチュと淫秘な水音が響く


「…つっ…くっ…」


今日の相手は、潤滑剤を使ってくれたので


イキナリ突っ込まれる事は、避けられたが


この潤滑剤…どうやら、崔淫剤を含んでいるらしく


俺は、もう何度となくイキ続け


前も後ろも酷い状態だ


何度目かの射精で、立ってられなくなった俺を


洋式便器の蓋を閉じて座った相手が、背後から俺を抱え上げ下から突き上げる


「…んっ…はぁぁっ…」


もう、声を抑えるのに必死で


誰か来たら… と考えると正気の沙汰じゃねぇ


なのにコイツは、ゲスな笑みを浮かべて


「どうだ…この薬…効くだろう…」


イッたばかりの前を、また扱かれる


「ヤッ、めろっ…早く…終わ…らせろ…」


整わない息で言い放つが


「余裕じゃねぇか…」


更に強く揺さぶられた


「ひっ…ぐうっ…つっっ…」


思わず叫びそうになって


慌てて唇を噛み締めたら、鉄の味が広がって 吐きそうになった


そいつが、短い溜息と共に 俺の中で果てる


何度も出された為、それは 中にはおさまらず


太ももをつたって、流れ落ちた


放心状態の男を押しのけて ノロノロと立ち上がろうとした瞬間


扉をノックする音が響く


ギクリッ 背筋が凍りつく


動きを止め、なんとかやり過ごそうとするが


また扉を叩く音


ここに入ってきた気配は、誰も感じなかった


誰だ… 相手を推測していると


その主は、今まで消していた気配を表に露わにする


…嫌な汗が流れる


「お楽しみは、他でやりなよ… シカマル君…」


男も扉の外に立つ人物が誰だか気づき、慌てて立ち上がり ズボンを上げ


それは見事な速足で去って行く


カカシさんは、そいつには目もくれず


取り残された、醜悪な格好の俺を


冷やかに見つめる


俺は、無言で身支度を整えると


カカシさんの横を通り過ぎ、出口へ向かう


「…今日は、この間と違う奴なんだ…」


思わず、足が止まった


「…ゲンマは…この事知ってるの…」


俺は、振り返りもせずに


「カカシさんには…関係無いんで…」


その場を後にした



次の日


資料室に居た俺の所へ ゲンマさんが、頬を腫らして現れた


「奈良…ちょっといいか?」


俺は、不思議に思いながらも ゲンマさんの後について人気の無い非常階段まで行く


ゲンマさんは、あれから何も聞いてこない


多分、カンの良いこの人の事だ 勘付いているだろう


それでも、何も言わないでいてくれるのが
とてもありがたかった


暫く沈黙が続く


俺は、なんだかそれが息苦しくて


話のネタにと、その抑えていた頬を話題に振ってみる


「どうしたんですか?ソレ…」


するとゲンマさんは、少し怖い顔をして


「…カカシさんに、殴られた」


途端、昨日の記憶が甦る


“…ゲンマは…この事知ってるの…”


俺が固まって、それでも事態をグルグルと考えていると 


「…何か、理由があるのか?」真っ直ぐ見つめられる


黙り込む俺に


「…言えない事か?」


俺が話しだすまで、辛抱強く待ってくれているが


言える訳が無い…


ゲンマさんは、諦めたように溜息を吐くと


「カカシさんなぁ…“もっとシカマルを、大切にしてやれ”“キチンと掴まえておけ”と凄い剣幕でな〜
奈良…完璧に誤解されてるが、いいのか?」


「 …いいです 」


ゲンマさんは、驚いて 良いっていったってなぁ…とか小声で呟いて


それでも、また諦めたように溜息を吐きながら


俺の頭を撫でた


「奈良… 前にも教えただろ?なんでも自分で抱え込むな 判断力が鈍るぞ…」


ホント、まるでガキにするみたいに ワシャワシャと撫でられ


あぁ…俺、この人に頭を撫でられるのに 弱いなぁ


なんて、鼻を啜りながら 再認識した







end

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