05/10の日記

00:56
偽り A ※閲覧注意
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下の 偽り@の続きです



※ 閲覧注意  

多少ですが、エロありです 自己責任にて、お願いします









堪えられず 


 … 涙が溢れる


ずっと目にしたかった その姿


それを、こんな処で見るなんて



カカシさんは、女将に部屋を聞き 番頭の案内も待たずに俺の腕を鷲掴むとグイグイと歩き出す


俺は、慣れない着物に足を捕られながらも


目の前のその背を懐かしく思う


少し痩せたように見えるその背に、手を伸ばそうとした時


部屋の障子が開いたのと 俺の身体が布団に投げつけられたのは ほぼ同時で


「 面白い格好してるね… なに? 任務? 」


冷ややかな視線で全身を眺められた


羞恥に何も答えられないでいる俺の目の前に しゃがみ込み


「 まぁ、いいや… で 遊女なおまえは… 」


乱れた裾から覗く足を ゆっくりと撫で上げ


「 客(俺)を楽しませてくれるんだろう… 」


片方の口角だけを上げ、冷淡に笑った


それが合図のように、無言で器用に着物を脱がしていくその手に


ただただ困惑する事しかできない


ピタリッ


突然手の動きが止まったカカシさんの凝視する先に目をやると


俺の手首に結ばれた髪留め


「 ふ〜ん… まだコレ持ってたんだ… 」


慌てて 手首を隠そうとしたのを


強い力で制止されてしまう


「 コレ、もう要らないだろう 」


素早くクナイを出すと おもむろに髪留めを引きちぎった


あっ… 動揺する俺などお構いなく


品の無い 色褪せた朱色の布団に押し倒され


カカシさんの顔が ゆっくりと近づく


あの髪留めを貰った日から


ずっと 肌身離さず持っていた


それは、カカシさんとの唯一の繋がりだったからだ


どんなに辛いめに遭っても 酷い事になっても


ソレを見て乗り越えてきた


その密かな俺の支えや 希望さえも バッサリと断ち切られたようで


視線を落とした


泣くのはお門違いだ ましてや恨むなんて事も


全部、自分が選んだ結果だ


唇を噛みしめ必死に言い聞かせるが


カカシさんの顔が近づき、思わずビクリと目を閉じた俺の唇に


カカシさんの吐息がかかる


触れる寸前


「 … おまえ、誰でもいいのな 」


その言葉に ハッと目を開けた俺の視界に


怒りを露わにしたカカシさんの紅い瞳


「 俺は、今日おまえを買ったんだ… それ相応のサービスはして欲しいねぇ  ヤラせてくれるんだろ… 」


表面上は、ヘラヘラとした笑顔なのに


隠しきれない怒りはそのままで、乱暴に口づけると


貪るように俺を抱いた


それは、愛なんてものは欠片も無く


俺に触れる唇も指先も 確かにカカシさんのものなのに


どうしようも無く冷たくて


俺の心も冷えていく


思えばカカシさんは、最初から優しかった


俺を壊れもののように大切に大事に触れたし


カカシさんとの、どのSEXを思い出しても


俺の中には、優しく温かいカカシさんの手しか覚えていない


こんなに手酷く抱かれるのは…  初めてだ


それなのに、この行為が進めば進む程


凍り付く心とは真逆に、そんな鋭利な刃物のような鋭い指先からも快楽を拾い上げていく自分が疎ましい


カカシさんに触れられている その事実だけが刻まれ


身体は、正直に反応し 溶け出す熱を解放しようとするが


痛いほど起ち上がった根元を抑え込まれ 息がうまくできない


苦しさに身を捻るが、拘束された手首が ギシギシと軋み痛みが増すだけで


カカシさんの手の内から、逃げられない


「 あっ…っつ… や、だっ… 」



抑え込んでいたカカシさんの指先がそろりと動き


先端のまろみを、ゆっつくりと撫で回す


「 やっ… んんっ… 」


そこはスグに、くちゅくちゅと淫卑な音をたて


俺の聴覚をも刺激していく


吐け口を塞がれ、ただただ執拗に与えられる刺激に


「 …カっ、カカシさん …もう …んあっっ …イカせ…て 」


放出されずせり上がり、体内中を駆け巡る熱の苦しさに


「 …あぁっ…お願い…です… 」


何度も懇願するが


俺の擦れた声などお構いなく、そのまま攻め続けられ


「 … ごめん… なさい… 」


意識を手放した



目覚めたのは、翌日の昼すぎで シトシトと雨が降っていた


雨音に混じって、湯あみの音や、髪結い達の急いた声が響く


花街の女達が、いそいそと店に出る仕度を始めだす頃か…



「 大丈夫か? …奈良 」


聞き覚えのある声に、そちらに目をやると


どんよりと暗い室内に、ゲンマさんが心配そうに俺を覗き込んでいた


「 今日は、ゆっくり休め… 」


優しく頭を撫でるゲンマさんのいつもの仕草に、我慢できなくて


俺は、背を丸めて泣いた


もう、ホントに… 最後だ


今後、カカシさんが俺に触れる事は…


二度と無い


もう、とっくに分かっていたハズの事実が


再度惨忍な形で突きつけられ


苦しくて胸が痛くて、バカみたいにひたすら泣き続けた


こんな想い… アスマを亡くしたあの頃よりも もっと酷い







end

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