03/31の日記

01:56
16. 思い切って私から  〜キバ〜 
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幼なじみ という距離感は、厄介だ

余りに近くに居すぎる為 お互いに相手を特別視しずらい

思春期と言われる年代に突入しても、それは変わず
一向に縮まらない距離感に1人苛立っていた

それこそ、まだ物心つく前から一緒に居るのだ

互いにそこに居るのが当たり前で、今更 男だ女だと 意識しろと言う方が
無理なのだろう 

あいつには…

今日も、一緒に帰る道すがら 好きな女の子の話を延々とするキバ

「 だからよ〜 たぶん、ヒナタも俺のこと好きなんじゃないかと思うんだよっ 」

どっからくるのよ、その自信…

こんなに近くに居る女の気持ちが解らないのに、隣のクラスのヒナタの事が キバに解る訳ナイじゃん

心の中で悪態をつく

「 おまえ… カカシ先生とは、どうなんだよ… 」

ヒナタが好きだと言ったキバに、強がって吐いた苦し紛れの私の嘘を
キバは信じている

「 どうにもこうにも… 学校1のアイドルTeacherだよ、ライバル多くてどうにもならないよ… 」

ワザとらしく俯く私

「 そっかぁ… 」

キバも少し悲しそうな表情になる

同情なんかしないでよ 後ろめたくなるじゃない…

キバは、ぶっきらぼうなのに 優しい

それは、ずっと昔から変わらない

例えば、私がここでキバに自分の気持ちを伝えたら

きっとむげにはしないだろう  

思い切って、私から告白して このダラダラと続く幼馴染という生ぬるい関係を
壊してしまおうか…

でも、自分がキバの傍に居られる理由を失ってしまうかもしれない…

イヤ!このまま、キバの口からヒナタの話を聞き続け方が キツイ…


「 キバ… 私ね… 
 
 キバが好き… 」

 
思い切って私から



「 おまえ…やっと言ったな 」

 え!?

「 シカマルの作戦成功 」

 …

 …

キバ… ズルイよ…

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01:20
15. 今、思っている事が同じなら  〜我愛羅〜
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「コレを、上層部に渡してくおいてくれ 」

少し大きめな茶封筒を差し出された

受取ろうとすると、中を見てみろ と促される

茶封筒の中を覗いて見ると 

お見合い写真…

「私のような者が、見る訳にはいきません」

慌てて封筒を返すと

「そこには、後に妻になるかもしれない女の写真が入っている。 …知りたくはないか?」

私は、多分 あ〜 とか う〜 とか言っていたんだと思う

我愛羅様が、おまえは見ていて飽きない と褒めているだか貶してるんだか解らない事を言って目を細めた

「やっぱり… いいですっ!」

我愛羅様の胸に茶封筒をつき返すと風影室を出て行こうとする

「おまえは、俺が他の女を娶ってもいいのか?」

背後から声がする

足が止まってしまった私に、更に追い討ちをかけるように

「俺が、他の女と寝てもいいと…?」

我愛羅様の気配が近づいてくる

「私は、ただの秘書役… そのような事に口出しする事は…」

「いいから、答えろ」

威圧的な言葉

「俺が、この間言った事は 戯れではない…」

ドアのぶに掛けていた私の手を包み込みながら
背後から耳元で囁く我愛羅様

「おまえは、俺の言った事を信じてないのか?」

我愛羅様が、戯れで “ずっと俺の傍に居て欲しい”なんて言葉を言えるほど 器用で無い事も

信じて無い訳でもない…

私は、家同士の掟でお見合いをして結婚をする事が決まっている


―― 我愛羅様の気持ちには答えられない…


「 … 中身を見てみろ 」

小さくイヤイヤとする私に、いいから と背後から伸ばされる我愛羅様の手で、ゆっくりと写真が開かれる

私は、咄嗟に目を瞑った

「大丈夫だ、見てみろ…」

言い聞かせるような優しい言葉に、おそるおそる目を開いてみる

そこには… 

へっ!? 私?

「俺の見合いの相手だ 」

振り返ろうとした私より逸早く、後ろから抱きしめられる

「おまえの返事を聞こう 」


今思っている事が同じなら…


「俺の傍にずっと居るか…?」

私は、小さく頷いた

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