book>月の音、空の光。
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『学校に来るの、どれくらいぶり・・・?』
大「ひと月ぶり位では?近頃は何かと急がしかったので」
超マンモス学校、私立愛譚学園の校門前
見るからに高級車な車から降りる少女と、少女をエスコートするように扉を開ける青年
彼らは学年は違うがそれぞれ‹芸能学科›に籍を置く、一応有名人
仕事や私用が重なり、登校するのは一カ月ぶりとのこと
「・・・・・・・ー!!この赤鬼お手製のクッキー!!」
『・・・?』
大「騒がしいですね」
『そう言えば期末テストの日だよ、今日。だからじゃない・・・?』
何やら遠くの方から聞こえてきた
“赤鬼”と
『また紅が巻き込まれてる・・・』
大「で、助けに行くのですか?」
『ま、放っておくわけにはいかないよ・・・。仕事仲間だし、お友達だし・・・』
苦笑いを浮かべ、声のした方を見やる
方向を確認し、青年の方へ向き直ると1つ頷く
それを合図に青年は少女を抱え一瞬でその場から姿を消し去ったのだった