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04/17(Sun) 20:23
ガンダム

「ね、君が、お星さまになったら、僕、いつまでも、空を見上げているよ。君が、空を通りかかるんじゃないかって、いつまでだって、飽きもせず、夜空を眺めていられるよ」
 マックスは言いました。マックスの額には、死病のあらわれである、死斑が、早くも浮かんでいました。通常、死斑とは、人が死んでから、その肌に浮かぶものであります。けれど、この死病は特殊なもので、死ぬその直前に、まだ生き生きとしたその額に、浮かぶのです。
「死ぬのは、君だよ」
 サルンティヌグスは、目を伏せて、そっと、マックスの髪の毛を一、二本、抜きました。烏羽色の、痛んだマックスの髪の毛は、サルンティヌグスの指を引っかかって、なかなか下に、落ちてゆこうとしません。それが、どうしてだか、酷く健気に思えて、サルンティヌグスは、さらにさらに、マックスのことを、不憫に感じるのでした。
「僕は、死なないよ。どうして、僕が死ぬだろう? 死斑が出ているから、何だろう? 死ぬってことは、そんなに大切なことかい?」
「少なくとも、酷いことだ、死なんてのは。もう、それっきり。君と、会えなくなってしまう」
「今、こうして、君と僕は、会っているだろうか?」
「そりゃ、俺の目の前に、君がいるんだから」
「言葉を交わしているけれど、僕たちは、本当に、今、この場所で、この瞬間、心を交わしているかい?」
「そんなこと、俺あ、わかりゃしないよ」
「死なんてのも、同じさ。本当に会えない? 君と僕は、二度と言葉を交わせない? 心も?」
「会えないよ、君は死ぬんだ」
「今だって、本当に心が通っているか、わかりゃしない。でも、君が、きちんと僕のことを理解してくれると、信頼しているから、僕は話せるんだよ。君だって、僕が、君のことを理解して、馬鹿にしたりしないって、知っているから、僕と話している。死んだって、同じさ。なに、ちょっと、僕の姿が、見えにくくなるだけ。けれど、じっと耳を澄まして、目をつぶれば、きっと会えるよ」
 マックスはそう言って、スサノオミコトとともに、天へ昇っていきました。あとに残ったのは、マックスの烏羽色の髪の毛と、シャア・アズナブルその人だけでした。

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