聖銀の魔法使い

□序章
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「ほぇ〜
(なっ…なんか雪兎さんみたいにはにゃ〜んてなっちゃう)」


『…?どうした?』


青年が問うとさくらはアワアワと慌てて顔の前で両手を振る




「いっいえ
何でもないんです!

あ…あの所で友枝町に来られたばかりですか?
に、日本語お上手ですねっ」


『……、あぁ。そんなところだ

まだ、住む所も決まっていなくてな…』

少し間をおき、そうどこか曖昧に答えた彼だが
さくらはとくに気にした様子はなかった。

「そうなんですかぁ〜」


『…それより、急いでいたんじゃなかったのか?』


「ほぇ!!?
あぁ!遅刻だよぉ〜」

自然に話題を変えた少年にさくらは気がつかず、表情をコロコロと変える。

『…あと何分だ?』





「あと5分で遅刻です」


『………そうか。諦めずに早く行け…
もしかしたら間に合うかもしれないだろう?』


「はい!そうですね!!
では!本当にごめんなさい!!」


さくらはそう言って滑り出すが…

途中でこちらを振り向き


「あっあの!名前何て言うんですか!!?」


『…


レイだ』


「レイさんですね!!
私は木之本 さくらです!
また会えるといいですね!」


『…あぁ』



さくらはにっこり笑うと行ってしまった…





『…』


青年…レイはさくらの姿が見えなくなると…

彼もまた、自身の目的のためにゆっくりと歩き始めた

























しばらく歩いていると……
一際にぎやかな声が聞こえる場所があった…


気になったレイは足をそちらに向けると、そこには門があり大きな建物があった



『…(文字は読めないか…)』

門の表札のようなものに文字が書かれていたが…読めそうにない。
彼にとっては予想出来ていたことだったようで、とくに驚きはしなかった。



レイが見た表札には
“友枝小学校”と書かれていた…










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