聖銀の魔法使い

□第2話
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―次の日―


『…(何かいるな…この店内に…)』


暇だったので街を見てまわっていたレイは一軒の店の前を通りかかった瞬間そんなことを思った


ちなみに桃矢はバイトでさくらは知世と一緒に買い物

藤隆は大学に行っている



『暇潰しにいいか…』


先程からの他人の視線にいい加減嫌気がさしているのも確かなので、レイはその店に入ってみることにした



―店内―


「お兄ちゃん!?


なにしてるの!?」


「なにって バイトに決まってるだろ」


バレンタインのチョコレートを買いに来た、さくらと知世は店内でバイトをしている桃矢の姿に驚く


「お兄ちゃん あちこちでバイトしてるのね」


知世は桃矢に昨日泊まったことのあいさつをしていた

――…そこに…


「さくらちゃん!」


「千春ちゃん!利佳ちゃん!」



千春と利佳が店内へ入ってきた…


「さくらちゃんもバレンタインデーのお買い物?」


「う、うん


あっ それ」


さくらは千春の問いに答えるとふいに利佳の服についているブローチに目が行く

それはさくらが“剣”のカードの件でのお詫びに利佳にあげたものだ


「ありがとう さくらちゃん
お出かけの時よくつけてるの」


利佳はさくらににっこりと笑う


「(この前 利佳ちゃん《せんせい》っていったんだよね

年上の人とお付き合いしてるって言ってたし…

でも…いいたくないのかもしれないし
なんか 事情があるのかもしれない


うん 利佳ちゃんが言ってくれるまで聞かないでおこう)」


さくらはそう思うと利佳に笑い返す

そして、チョコレートを知世と選んでいると…


「ほえ?」


お客さんの女の人の影が動いたことに気がついた


影は棚まで伸び、グイッと引っ張る


グラッ


「あぶない!!」


さくらが二人の女の人に向かって倒れてくる棚を見てそう叫ぶが…


ブァッ…!!


さくらの横を風が通りすぎる…



ガッ!!!



『…(何とか間に合ったか)』


「お兄ちゃん!!レイさん!!?」


さくらの目に倒れる棚を支える桃矢とレイの姿が映る


「…レイ、サンキュッ」


『…あぁ


怪我は……?』


桃矢は棚を退けながらレイにそう言う

レイはそれに答え、二人の女の人に話かける


「!!だっ大丈夫です」


「ありがとうございましたっ!!」


女の人はレイを見て顔を赤らめ、桃矢とレイにお礼を言い頭を下げる





店内の他の客たちがザワザワとする


「(影が動いた!!?)」


『(“剣”のカードと気配が似ていた

やはりクロウカードか)』



レイが考えていると 店の扉が開いた……


「あ!」


「……クロウカードだな」


さくらたちの前に現れたのはクロウカードを嗅ぎ付けてやってきた小狼だった





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