聖銀の魔法使い

□第4話
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・・・レイの今日の休日の予定はさくらの一言で決まった


「レイさん!今日何か予定がありますか?」


『…いや、とくにないが』


「では一緒にお出かけしましょう!!」



『…』






・・・・・・・・・・・・

ブロロロロ・・・


―バス内―


『…さくら』


「何ですか?レイさん」


『何故、おれまで知世の家に行く必要がある』


「知世ちゃんがレイさんもぜひって言ってたんですよ


…だめでしたか?」


『…駄目ではないが

(年下の…それも女子の家に遊びにいく高校生っていうのは…
気がひけるのは おれだけなのか…?)


わかったから、そんな泣きそうな顔するのはやめてくれ』


あまりに悲しそうに自分を見つめてくる さくらにやはり折れるしかないレイだった


「あっレイさん 次でおりますよ!」


『あぁ…』





・・・・・・さくら回想モード


「え?知世ちゃんちに?」


《ちょっと困ったことがありまして・・・


よろしければ 明日の日曜日 家にいらしていただけませんか?


あっ!ぜひレイさんも一緒に》


電話から聞こえてくる知世の声は本当に困っているようだった


「ほぇ?レイさんも・・・?」



・・・・・・回想終了






「(何があったんだろ?)」


さくらが考えていると・・・

ガサゴソ


「くるしぃいい」


『……』


さくらが膝の上にのせているカバンから目を回すケルベロスの顔が出てきた


「だめだよ!ケロちゃん」


「せやかて か 鞄の中な空気が…」


『(まぁ苦しくもなるな)』


さくらの隣に座るレイは他の客にケルベロスが見えないように銀皇扇をわざと広げる


「もうちょっとだから我慢して ねっ」


『…』



むぎゅ〜と再びケルベロスを鞄に押し込むさくらを見て、心底ケルベロスに同情するレイだった


だが・・・・・・


『…見られてるぞ さくら』


「はっ


あ・・・あははは・・・は」


・・・・・・・・・・・・



・・・・・・



―大道寺家―


「ほぇええ!」


「で でかい!

ここ ほんまに知世んちか?」


『…みたいだな』



予想外の豪邸にさくらとケルベロスは目を点にして唖然とする中・・・やはりレイはいつもと変わらず冷静だった


ピンポーン


<どちらさまでしょう?>


『…さくら。』


「あっ木之本です!」

レイに言われ 慌てて返事をするさくら・・・


<いらっしゃいませ>


その声と同時に門の扉が開いた


「さくらちゃん!レイさん!」


さくらとレイに知世が走り寄ってきた


『・・・・・・』


「こんにちわ」


「いらっしゃいませ

レイさん!来て下さったのですね!」


『…おれまで来てよかったのか…?』


「もちろんですわ!
うちの母がレイさんにぜひお会いしたいとのことなので・・・」


『・・そうか


さくら。
そろそろケルベロスを出してやったらどうだ・・・?』


「あっ! ごめんね!ケロちゃん!!」


がばっ


「こら――っ!わいを忘れるとはどういうことやぁ!!」


「ごっごめん ケロちゃん」





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