聖銀の魔法使い

□第4話
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ケルベロスはさくらに怒るが、姿を見られる訳にはいかないので、すぐにカバンに身を隠した


・・・そこに


「お嬢様 お茶はどちらにお持ちしましょうか」


「じゃ わたしの部屋に4つ」


「?よっつですか?」


1つ多いのに疑問を覚えるメイドだが・・・


『……』


「すっすぐにお持ち致します!」


軽く頭を下げるレイ を見て、メイドは顔を赤らめその疑問などはどこかに吹っ飛んでしまったようだ

『…おれは何かしたか?』


「さすがレイさんですわ」


「ほぇ〜」


『…は?』

自分の容姿に自覚がないレイは怪訝な表情を浮かべるしかなかった




・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


―知世の部屋―


「わ―――」


『……、』


知世の部屋の広さと豪華さに感心するさくらだが、レイは何かを感じとったのか、眉間にしわを寄せる


「どうかしましたか?レイさん」


『…いや。』


「・・・」


レイが知世に視線を向けると知世はレイが何を言いたいのかがわかっているかのように苦笑いする



「これ何?」


さくらの目についたのは備え付けてある巨大な画面


「テレビですわ

これでいつもさくらちゃんの勇姿を・・・」


「あ―ほんまにかっこええな―わいって

兄ちゃんもそう思うやろ?」


『・・・そうだな』


「・・・・・・」


画面に映ったさくらをうっとりと見つめる知世と自分の姿に惚れ惚れとしたように見つめ、レイに同意を求めるケルベロス


そんなケルベロスに取り合えず返答するレイだが、視線はすて―んと転けているさくらに向いている

『…大丈夫か?さくら』


「はっはい、すいません」


さくらに手を差し出し、立ち上がらせるレイ・・・

・・・・・・そのときだった


コンコン


「どうぞ」


バターン!!


知世の返事と共に、派手な音をたて扉が開かれた



「お母さま!」


知世の母、園美が息を切らせながら現れた


「いらっしゃい!」


「おじゃましてます」


園美はキラキラと瞳を輝かせ、さくらの目線に合わせて言うと・・・


「!あなたが・・・!?」


『…初めまして

レイといいます』


「知世の母の園美です

いつも知世がお世話になってます」


『…いえ


こちらこそ、さくらがお世話になってます』


「ポォ〜」


『…?どうかされましたか』


予想以上なレイの美麗な容姿に園美は思わず見惚れてしまう


「!コホン、何でもないわ

さくらちゃん、レイくん。

あなた達が遊びに来てくれるって聞いて会社から飛んで帰ってきたの


外でお茶にしない?

おいしいケーキ買ってきたのよ」


「(ケロちゃん〜〜)」


知世とさくらは園美に連れられていくが・・・


『・・・』


レイは動こうとはせず、さくらのカバンの後ろに隠れているケルベロスに視線を向ける


『・・・すぐ戻る』


一言そう言い、レイも退室した



・・・・・・その後


「ケーキ!!!


!!?


この気配は・・・・・・」


ケーキが食べたいと騒ぐがすぐにレイが感じとったものと同じ気配を感じ取り、室内を見回すケルベロスだった・・・




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