聖銀の魔法使い

□第6話
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神社の面影一つなく…


目の前に続くのは果てのない迷路………





「い…今、ここ神社だったよね…!?

レイさんもいたよね!?」


「…はい、間違いなく」


「……」


突然な出来事にさくら達は唖然とする


「で…出口…」


そんな中…さくらが取り合えず出口を探そうと歩き出すが…



ぱしっ


「待て!落ち着いて気配を読め」


動揺しているさくらの腕を掴み、落ち着かせる小狼

その小狼の言葉にさくらは目をとじ気配を読み取る



「…クロウカードの気配だ」


「じゃ これもクロウカードですの?」


周りは見渡す限りの複雑な迷路……



「…恐らく《迷》のカードだ」


「《迷》?」


「なるほど、だから迷路を作れるんですね」


納得し、感心しているさくらと知世だが…



「感心してる場合か

《迷》の迷路は中に入った者が出口を探し出せるまで消えないんだぞ


……レイさんも巻き込まれているはずだ」



「えぇ!!?」










『…』


見渡す限り迷路だ…


いくら歩いたところで出口にはたどり着けないだろう…



『…』


コンコン…


レイは銀皇扇でそばにある壁を軽く叩いた



『…今回ばかりは仕方がないか




…そうだろう…?


観月さん…』



カツッ…

リン…



「やっぱり貴方すごいわね レイくん


…えぇ、今回ばかりは」



レイの後方から歌帆が微笑みながら現れた

その手には月を形どった鈴があった……



『…』


横目でそれを見たあと、レイは不機嫌そうに瞳を細めた………








…………………………



…………………





―木之本家―


「ただいま―」



「おかえりなさい

あれ?レイくんは?」



桃矢が帰宅すると、藤隆がエプロンを身に付け料理をしていた


だが、一緒に帰ってくるはずのレイがいないことに不思議そうな表情をした



「なんか行くところがあるんだと」


「そうですか…」


「まっその内帰ってくるさ」


桃矢は藤隆にそう言うと、靴を脱ぎ中へ進む


「…なにかあった?」


そんな桃矢の様子を見ていた藤隆だが、何か様子が変なのに気がついたようだ


「!おれ、何か変かな」


「わかるよ


ぼくは桃矢くんのお父さんだから」



そう言って微笑む藤隆だが、言葉を続けた




「それにレイくんもね」


「え…」


「出会ったのは最近だし、血のつながりもないけど…


時間なんて関係ないし、血のつながりなんて問題ないよ


僕は桃矢くんとさくらさん…


そしてレイくんのお父さんでいるつもりだから


…撫子さんもここにいたら、そう言ってくれていると思うしね」


「……」



撫子が写った写真立てに微笑みながら視線を向ける自分の父親に、桃矢もまた表情を和らげた……





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