聖銀の魔法使い

□第7話
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『…あれ、さくらと雪兎じゃないか?』


「おっそうだな」




レイと桃矢の前方にさくらと雪兎が歩いていた





「…やっぱり食べるよね
そういうときは」


「そうですよねっ
だから私、冷蔵庫の中のゼリー食べちゃったんですけど…

それお兄ちゃんので…」



雪兎とさくらが仲良く話をしながら歩いていると…









「やっぱお前が食ってたのか」


「お兄ちゃん!!」


『…よそ見して歩くと転けるぞ』

「レイさん!!」



驚くさくらだが、結局4人で仲良くゆっくりと歩いて帰るのだった




……………………………



―木之本家―



帰宅するとさっそく、夕食のお好み焼きにとりかかる



「あ、ねぇお祭りがあるの知ってる?」


『…あぁ、月峰神社でだろ?』


「はい!張り紙みました
知世ちゃん誘っていこうと思って欲しいものもあるし」


『……』


“欲しいもの”その言葉にレイの脳裏にさくらたちが買えなかったであろう御守りが過る

彼自信もすっかりクロウカードの事件で忘れていたようだ




「二人で行くのか?」


「うん」


「おれも行く」


「なんで?」


「行きたいから」


「ほぇ?」


「ぼくも行っていい?」


「はい!ぁ…あのレイさんはどうしますか?」


『…え…あ、悪い…先約がいる』

「え!?」


「「!!?」」


祭りに行くには行くが、他の誰かとの約束があるらしい



「……とだ」


『……は?』


「誰と行くんだって聞いてんだよ」


「おっお兄ちゃん」



『…何を怒っている』


何故か眉を寄せ怒る桃矢にレイは怪訝な表情を浮かべる


が…


「レイ?誰と行くの?」


『…!雪兎…?』


笑顔なのには変わりないが雰囲気がいつもと違う雪兎にレイは戸惑う


さくらはともかく、桃矢と雪兎に詰め寄られるはめになったレイだった…







……………………………


……………………




「まぁ、ではレイさんは別の方と行かれますの?」


「うん、そうみたい」


「そうですか、残念ですわ」

仲良く歩くさくらと知世の後ろには桃矢と雪兎もいる




「で、レイから誰と行くのか聞けたの?」


「…うまくはぐらかしやがった、あいつ」


「けど、なんで隠す必要があるのかな?すぐに見かけると思うんだけど」


「さぁな…」


素っ気なく答える桃矢だが、表情はいつにも増してムスッとしている













『……これはどういうことだ?



安藤…』


「いやだなぁ〜レイくん


二人で行くとは一言も言ってねぇよ?」


そう、先約は野球部の安藤だった
試合でのお礼を兼ねてとのことだったのでどうしてもと頭を下げられたのだ


仕方なく了承したレイだが、待ち合わせた場所にいたのは安藤だけではなく


他にも3人いたのだ





『……』


頬を赤らめチラチラとレイを見る男女は恐らくクラスメートだ

なんとなくだが見た覚えがある

だが、彼らはどうかは知らないが、レイにとっては気まずいことこの上ない



『……帰る』


「まっ…まぁまぁ!!そう言わずにさぁ!」


踵をかえすレイの腕を掴み必死に止める安藤


「お前、木之本と月城ぐらいとしか関わらねぇんだから
たまには他の奴とも交流を深めろよ」


『…うるさい余計なお世話だ』


離せと言わんばかりに掴まれている腕に力を加えていると…


「レイくん!ごめんね
私たちが安藤くんに頼んだんだよ!」


『……』


その言葉にレイは加えていた力を抜くと初めてクラスメートの男女と目を合わせた





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