月夜の旅人
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二隻の船は海をゆく…
その船では……
「無謀だわ」
「何が?」
「このまま“偉大なる航路”へ入ること!」
『…』
「確かにな!
この前たわしのおっさんから果物いっぱい貰ったけど、
やっぱ肉がないと力が…」
「食糧の事言ってんじゃないわよ!!」
「このまま酒が飲めねぇってのもなんかつれぇしな」
「飲食から頭を離せっ!!
…ん?レイ?どうしたの?ずっと黙りっぱなしだけど…」
『…おれはお前と同じようなことをすでに伝えていたのだがな
……無意味だったようだ。』
「苦労してたのね;レイ
あんたたち!!レイを疲れさせるんじゃないわよ!!!」
「何ぃ!!レイは疲れてんのか!?
何でだ!!」
「主にあんたが原因だ!!!」
『…“偉大なる航路”がどういう場所なのか話もしたが、もう忘れているだろうな…』
……
「え!?レイは“偉大なる航路”に入ったことあるの!?」
『…元赤髪海賊団だと言っただろう
それにおれはルフィの仲間になるという約束のために、
“偉大なる航路”を逆走してここ、東の海に来た…』
「“偉大なる航路”を逆走!!??」
「その話を聞いたときはホント驚いたぜ…
約束した本人も知らなかったしな」
「ああ!驚いた!
でも、レイだからすぐに納得したぞ!」
「何でレイだからすぐ納得するのよ?」
「そりゃあアレだ!レイは昔からすげぇからだ!!!」
「……まぁ、あんたが言いたいことはわかるわ。」
「苦手なもんとかなさそうな、完璧人間みてぇだもんな…」
納得したように頷くゾロとナミにレイは怪訝な表情を浮かべる。
『……完璧な人間など、この世にはいないだろう。』
「その言葉をあんたが言ったら、嫌味にしか聞こえないわよ」
。