月夜の旅人

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「何だ あいつ…」


「あんなじいさんが大王イカを一撃で!!」


「…ただの漁か
おれ達を助けてくれたのか」



その老人は捕った大王イカを引きずり寄せていた…


『…』


レイはそれをただ見つめ、
ゾロたちはその老人と緊張した面持ちで見つめ合う


…が…


し――…ん


「何か言えよっ!てめぇ!!!」


老人は何も言わず新聞を読む始末…


「…」


「や…戦るなら戦るぞコノ野郎!!

こっちには大砲があるんだ!!」


『…』


懲りずに言うウソップにレイは呆れたような表情をする


「…やめておけ、死人が出るぞ」


「…!!
…へぇ!誰が死ぬって?」


「私だ」


「お前かよ!!!」


サンジが老人にツッコミを入れる中…

無言だったレイが口を開く


『…双子岬の灯台守』


「……!」


レイの言葉にその老人が反応し、彼の姿を映した瞬間驚きの表情を浮かべる

だが、それは一瞬のことだ

『…名は“クロッカス”だったな』


「…確かにそれは私の名だ…

よく知っているな…」


「レイ?知ってるのか?」


『…クジラに会う前、双子岬があっただろう

そこの灯台守だ

姿を見ないと噂されていたが…まさかクジラの中にいるとは思わなかった』


「その銀髪が言うように私は灯台守をしている…


それはいいとして…
お前らよくも私のワンマンリゾートに入りこんだな」


「…で、ここはやっぱりクジラの中なのか!?」


『…あぁ、先程船ごと飲み込まれただろう…?』


「…や、やっぱりクジラに食われたんだ」


「どうなんの私達!!!

ねぇ!レイっ消化されるなんてイヤよ!

なんとかならないの!?」


『…消化される前にここから出れば問題ないだろう』


「出れないから困ってんのよ!!」


『…出口があそこにあるのにか?』


レイは扉がある方向に指差した


「「「出られんのかよっ!!!」」」


全員につっこまれる…



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