月夜の旅人

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「ナビざん 死ぬのがなぁ!!!?

なぁビビぢゃん!!!」


ハンカチを噛みながら情けなく泣くサンジ…


「おそらく――気候のせい…
“偉大なる航路”に入った船乗りが必ずぶつかるという壁の一つが異常気候による発病……!!


どこかの海で名を上げたどんなに屈強な海賊でも
これによって突然死亡するなんてことはザラにある話……


ちょっとした症状でも油断が死を招く

この船に少しでも医学をかじっている人はいないの?」


高熱に侵され苦しそうに呼吸を繰り返すナミを見ながら話すビビ……


「「「!!!」」」


「そうだ!!レイは!!?」


「確かにあいつなら航海の経験も一番熟年だし!!医学の知識もあるはずだ!

レイ呼んでくる!!」


サンジはそう言って走ろうとするが…



『…もう来てる』


「「「レイ!!!」」」


「レイさん!!!」


部屋のドアに背を預け立っているレイがいた

だが、その顔色はどことなく悪い…


『…ナミの症状は熱以外はないのか…?』


そう言ってナミが寝ているベッドに近づくレイ…


「……えぇ…多分」


『……熱は何度だ』


「えっと……

よっ40度!!?
また熱が上がった…!!!」


『…(この様子だと… まだ熱は上がるな
何か原因があるはずだが……)』


「アラバスタへ着けば当然医者はいるだろう?
あとどれくらいかかる
ビビ…」


「わからないけど一週間では無理…!!」


「病気ってそんなにつらいのか?」


「「いや それはかかったことねぇし」」


「あなた達一体何者なの!!?
つらいに決まってるじゃない!!
40度の高熱なんて……!!そうそう出るもんじゃないわ!!

もしかしたら命にかかわる病気かも知れない…!!」

「「「ぎゃああああ!!!!」」」


「ナミは死ぬのかぁ!!?」


「ダビダン死らバイベ―――!!!
(ナミさん死なないで)」


「ああああっ!!!」


「クェ―――!!!!」


ビビの言葉にルフィ達は大騒ぎ


とその時


スパパパァアアン!!!


「「「いってぇええ!!!」」」



『…うるさい。病人の前で暴れるな』


「「「はい……」」」


騒いでいたルフィ達の頭を銀皇扇でぶっ叩き低い声で怒るレイに怯えながら謝るルフィ達




『(ナミに異変が起こったのはリトルガーデンを出てからだ…

古代の時代ともなると…
絶滅したはずの生物まで存在していることもある…)』


レイはそこまで考えるとハッと何かに気が付いた


『…面倒なことになった
(これでは…単に医者をみつけたとしても薬自体がないかもしれない)』


「レイさん?」


普通の医師に診てもらっても意味がない…


特別腕のいい長年医師をしているものでは治せないことを悟り、レイは眉をひそめるのだった


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