月夜の旅人

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ドラム王国を出航し―…

メリー号は青い海を進む―…



「いやいや もう本当 なんも知らねぇからおれはっ」


わざとらしくサンジから目をそらし、冷や汗を流すルフィ


「おい何目ぇそらしてんだ。ちゃんとおれの目を見ろ


…じゃあ聞くがな

しっかりアラバスタまで持つ様におれがちゃんと配分しといた、9人分の食料が夜中の内に、なぜ消えるんだ?

無駄な抵抗はよせ
てめぇはポーカーに向いてねぇ人間なのさ」


「ゲップ」


「おい 口のまわりに何かついてんぞ」


「しまった!!!食べ残し!?」


ルフィは思わず両手で口を隠す


「おめぇじゃねぇかぁ!!!」


ドゴォオオン!!!


「ふべぇ!!!」


ルフィはサンジに蹴り飛ばされたそんな時…


ガチャッ…


『…?何の騒ぎだ』

眼鏡をかけ、書物を持ったままレイが男部屋から姿を見せた


「おっレイ!

目悪かったのか?お前…」


『…少しな。で、どうしたんだ』


「聞いてくれよ!レイっ!
あのクソゴムときたら夜中の内に全部食料食っちまったんだぜ!!?」


『…そういうことか』


レイは蹴られて倒れているルフィを見てそう言うが…ふと視線を感じた


『…なんだ?』


「え!?ううんなんでもないわよ!?」


「そっそう!!何でもないです!レイさん!!」


『…?』


何故か自分を痛いほど見つめてくるナミとビビに疑問をもつレイだが…

深く考えないようにしたようだ


「(無自覚すぎってのも考えようだな)」


眼鏡をかけているレイの顔を初めてみたせいか見惚れているナミとビビ…

そんなことなど露知らず、レイは魚釣りをしているウソップとチョッパー、カルーに気がつき目を向ける…


『…(こいつらもか)』


「…ゴクン…
さ―て釣らなきゃな―…

サンジ君のために〜〜〜」

「クエ」


「…ビクビク」






……………


「英雄?

クロコダイルはアラバスタの英雄なの!?」


ナミがウソップたちを殴った後話は進む―…


『…英雄というのは大げさかもしれないが
“王下七武海”というのは世界政府に雇われた海賊達のことだ…』


「そう…“七武海”が財宝目当てに海賊を潰すのも “海軍”が正義のために海賊を潰すのも

国の人達にとってのありがたさは変わらないってわけ
結局 町を襲う海賊達を追い払ってくれるんだもの」

「まぁ そりゃそうだ

……しかし そのアラバスタの英雄が実はアラバスタを乗っ取ろうとしてるとは
みんな夢にも思ってねぇんだろうなぁ」


ゾロが大の字で寝る中話をする


「とにかく おめぇ クロコダイルをよ!!
ブッ飛ばしたらいいんだろ!!?」


「えぇ…暴動をまずおさえて国からB・Wを追い出すことができれば…

アラバスタは救われる」


『…(言葉では簡単だが、ビビがいくら王女だと言っても、狂気で染まった暴動を果たして止めることが出来るかは…難しいところだな)』



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