月夜の旅人

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暴動を止めようと立ちはだかるビビだが…


コーザはビビに気づくことなく横を走り去り…


ついに反乱軍は王宮へと武器を構えて向かう


ビビは反乱軍の馬に蹴られバランスを崩して倒れてしまい、巻き込まれてしまうが


「カルー!あなた私をかばって!?
ごめんね!こうまでしても…!!!
反乱は始まっちゃった!!!


だけど止めるわ!!!
何度はね返されたって…!!

船でちゃんと学んだのよ!!!
諦めの悪さなら!!!」


ビビが泣きそうになるのに耐え、力強くそう言っていると……


「ビビ!!!」


「!」


「こっちに乗れ!!!」


馬に乗ったウソップがビビの前に現れた


だが……


「そのトリはもうダメだっ!!!急がねぇと反乱はひどくなる一方だぞ」


“そのトリ”…その言葉にビビは違和感を持ち、傷つき倒れているカルーを見つめる


《行くぜ カルー!!》


《クエー!!!》


少なくともウソップはカルーをトリ呼ばわりしない


「ウソップさん…!?

証明して…!!」


緊張し心臓が早く鼓動を打つが…ビビはウソップを真っ直ぐ見つめる


「おい おれを疑うのか!?


ほら……」


ウソップは堂々と左腕にしている包帯を見せた


「!(…違う!!!)」


ビビがそう思った瞬間

「クエ…」


「!!カルーッ!!?」


カルーは痛む体を動かし、ビビを乗せて走り出す


「!?



……全員が同じ印を巻いていたと0ちゃんから報告があったのにねぃ


《カシャッ》



ちぃ…!!何でバ〜〜レたのカ〜〜シラね〜〜い」

ウソップだった人物…Mr.2はニヤリと笑う


「でも逃〜〜がさな〜〜いわよ〜〜う!!!

“オカマデャ――ッシュ”!!!」


Mr.2はビビを追いかけはじめる……






―Mr.2がメリー号に現れた後のことをビビは思い出していた――…




「いいか あのオカマ野郎の変身は完璧だ

いつこの中の誰かになりすましてビビの命を狙ってくるかも知れねぇ」


ゾロの言葉を全員が真剣に聞く


「仲間を少しでも怪しいと感じたら…


この包帯を取って“印”を見せあう」


ゾロが包帯をとった腕にはばつ印が書かれていた


「それができなきゃニセ物だ…」


「へぇ 2段構えの印とは気が利いてて おめぇらしくねぇな…」


サンジはゾロの考えに関心したようにするが…


「さては おめぇがすでにオカマ野郎!?」


「斬るぞ てめぇ!!!」


「お ゾロだ」


「なんだ ゾロか…」


怒るゾロに納得したように言うルフィと安心したように言うウソップ…


「つ―か、おれの考えじゃねぇよ」


ふとゾロが次に言った言葉に全員が首を傾げる



「は?じゃあ誰が…」


「…一人いんだろうが、すげぇ頭のいい奴が」


ゾロの視線の先には、少し離れた場所に座り…遠くを見つめるレイの姿があった



『…?なんだ』


案を出した本人なので、ゾロの話を聞いていないレイは…全員から受ける視線に気づき怪訝な表情をする


「「「(なるほど)」」」


ゾロではなくレイの案だと知ると納得する
船員達だった――…





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