月夜の旅人

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アラバスタを出航したメリー号は、穏やか海の上をゆっくりと進む


「もう追って来ねぇな
海軍の奴ら…」


「ん―――…」

「ん――…」


「つき離したんだろ!?」


「ん―――…」

「ん――…」


「あのな…何だよ その気のねぇ返事は」


「「「さみし――――…」」」


『…気持ちはわかるが、
いつまでもそうしている訳にはいかないだろう』


めそめそとするルフィ達にレイとゾロは呆れる


『…ルフィ、先程いつかまた来ようと約束しただろう』


お前まで落ち込んでてどうする…


「寂しいもんは寂しいんだ!」


『それはそうだろうが…』

「…ったくいつまでもめそめそすんな!!

そんなに別れたくなきゃ 力付くで連れてくりゃよかったんだ」


「うわぁ野蛮人…」

「最低…」

「マリモ…」

「三刀流…」

「待てルフィ 三刀流は悪口じゃねぇぞ」

「四刀流…」

「増えてどうすんだよ!!
……いいかナットウあるだろ
ナットウにお前腐ってるとか言ってもよ……」


「わかったよ 好きなだけ泣いてろ」


『…』


ゾロ達がそんなことを言っている間、レイは女部屋の方へ視線を向けていた


ガチャ


「…やっと島を出たみたいね
ご苦労様」


「ああ…?」


『…』


「「「!!!!?」」」





「組織の仇討ちか!!?
相手になるぞ」


「何であんたがここにいんのよ!!」


「キレ―なお姉さま〜〜〜」


「敵襲〜〜!!!敵襲〜〜〜!!」


「あああああっ!!誰?」


「あ!…何だお前じゃねぇか!
生きてたのか」



それぞれ個性ある反応をする船員達だが、ルフィとレイは慌てず現れたロビンを見つめた


「そういう物騒なもの私に向けないで―――って前にも行ったわよね?」


カラン…カラン…!


ロビンはハナハナの実の能力でゾロの刀とナミのタクトを叩き落とす


「あんたいつからこの船に!」


「ずっとよ――下の部屋で読書したりシャワー浴びたり

これあなたの服でしょ?借りてるわ」


「何のつもりよB・W!!」


「フィルティナ・レイ」


ナミの言葉に冷静に答え、いつもと変わらず成り行きを見つめていたレイに話しかける


『…なんだ』


「――あなた私に何をしたか
……忘れてはいないわよね…?」


『…?覚えがないが』


「な…ナニって
おいレイ!てめぇキレイなお姉さんにナニしやがったんだ!」


掴みかかりはしないがレイに怒鳴るサンジ


「レイ、あいつに何かしたのか…?」

『…知らん』

「あなたもよ、モンキー・D・ルフィ。」


「え!?おれも!?」

ルフィや他の船員たちもロビンの言葉に驚く。

彼だけは不機嫌そうに蒼い瞳を細めていた。








《ーーー待ってっ!!
あなたの名前はっ!!?》

遠ざかる銀髪の男にロビンは声を張り上げて訴えた。

その必死な声に男は足を止め振り向いた。




《ーーあんたはおれのこと知ってるよ》


《……え?》

それ以上は何も答えることなく不敵な笑みを浮かべたあと今度こそ去って行った。
その後ろ姿をロビンは見送った。








「耐え難い仕打ちを受けました

責任……とってね」



「意味わかんねぇ奴だな
おれとレイにどうしてほしいんだ?お前…」


見かねたルフィがロビンに向かって問う



「私を仲間にいれて」


「「「は!!?」」」







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