月夜の旅人

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レイを含め船員8名を乗せたメリー号は“積帝雲”を突き抜け、天空の島“空島”へとたどり着いた




『…(どうやら無事についたようだな…)』


息1つ乱すことなくレイは周りを見回すと、まだ自分以外の船員は起き上がる気力もないのか、苦しそうに呼吸を繰り返していた


『……』


レイは寝転ぶ船員を見たあと、
一面を埋め尽くすような白に静かに視線を向けた。








…暫くして


「!!まいった
何が起きたんだ 全員いるか…?」

「!“氷華”さんは?」


「「「!!!」」」


レイがいつの間にかいないことにやっと気がついた船員達だが…


「おい!!!
おいみんな見てみろよ!!!船の外っ!!!」


「!ちょっ、ルフィそれどころじゃ…!レイが…」


ナミは慌てたようにルフィに言うが…




「?レイならあそこにいるぞ?」


ルフィの視線の先には宙に浮き、上を見上げているレイの姿があった

『(上はさらに空気が薄くなっている
上層に行くには、恐らく)』


少し先に見える、滝のようになっている場所


『…?』


「「「…!!」」」


自分に向いている視線に気付き、レイはメリー号にいる船員達へ視線をむける


何故か、皆顔を赤らめ惚けているが…


『…あぁ、目が覚めたのか

すまないな、少し周りを見ていた。どうかしたのか?』


レイはメリー号に静かに降り立つと、反応のない船員に怪訝な表情をした

「はっ!な、何でもないわ!レイ!!

もうびっくりしたのよ?あんただけいないから」

「(やっぱりレイは綺麗だ)」


宙に浮かび上を見上げるレイの横顔のあまりにも美しさに見惚れていたなど言えるはずもなく、曖昧に笑みを浮かべるルフィ達だった



『…ウソップはあれは大丈夫なのか?』

「「「!!」」」


レイの視線の先にいる青ざめ倒れているウソップにやっと気がついた彼らは…


「大変だぁ ウソップの息がない!!!」


「何ぃ!!?何とかしろ!!!
人工呼吸だ!!!」


「よし おれはナミさんと人工呼吸だ!!!」


「アホか…」





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