月夜の旅人

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「第一のコース!!キャプテンウソップ泳ぎま――す!!!」


「おう!!やれやれ!!」

「おいおい無茶すんな
まだ得体の知れねぇ海だ」

サンジがそう言うものの、ウソップは潜る気満々だ


『…ウソップ』


「ん?何だレイ」


『…泳ぐのは構わないが、潜りすぎるなよ』


「?よくわかんねぇけどわかった」


ウソップはレイの言いたいことがよくわからなかったが、海に勢いよく飛び込んだ


『…』


レイはウソップが潜ったあとの海を無言で眺めていた





だが、暫くして…




「顔、出さねぇぞ」


ウソップが潜って暫く経つが、顔を出す気配がない

「…“氷華”さん」

ロビンが何かを言いたげに変わらない表情で雲の海を見つめている彼に視線を向ける。


『…』


「なぁ!レイさっきウソップに言った潜りすぎるなってどういうことなんだ?」


『…空に浮かぶ海に底があると思うか?』


「「「!!!まさか!!」」」


レイの言葉に全員が驚く


「あの野郎 雲から落ちたのか!!?」


「ウソップ〜〜〜〜!!!」


ルフィは空の雲に向かって腕を伸ばす


「レイっ!それならそうと言ってくれよ!!」

『…忠告はした。


それにたった今、この空の海を昇ってここまでたどり着いたんだ
底がないことぐらい考えなくともわかるだろう』

「!!」


確かにレイが言うように少し考えればわかること

それに彼ははわざわざ忠告もしている


「できるだけ腕を遠くに伸ばして!!!」


「でも下は見えねぇから勘だ・・・!!」


「大丈夫任せて


“目抜咲き”<オッホスフルール>!!!」


ロビンが瞳を閉じ、技を使うと、ルフィの伸びた手や腕に目がつく


『…』


レイは無言でルフィとロビンを見つめていた


その時だ・・・


「いた!!!」


「え!?どこに!!?」


「“六輪咲き”<セイスフルール>!!!


OK!!引き上げて!!!」


ロビンは息を切らしながら、ウソップを掴むことに成功した


「ふんきぎぎぎ!!!」


ずしっとした重みにルフィは踏ん張りながらウソップを引き上げようとする・・・

『(何か余計なものまで釣れたな)』


ウソップ以外の別の気配を感じ、レイはひきあげられるそれを静かに見つめた。



バフッ!!


「おぉ!!」


「やったぁ!!上がっ!!!?」


ガバァ!!!


「何かついてきたぞぉ!!!」


「いやぁああああ!!!」

「ウソップを食う気だ!!!」


巨大タコとヘビのような生き物が現れた


「「ッアァアアアア!!!」」


ガシッ!!


『…、』


泣き叫び、やっぱりレイに抱きつくナミとチョッパー


『…、ゾロ。』

「ん?あぁ…」


身動きが取れないレイはゾロに視線を向ける


「――ったく、そうビビる程のもんでもねぇだろ」


ゾロはレイに抱きつき怯える、ナミとチョッパーを一目見ると、刀を構え、巨大タコの方へ向かった


ズバッ!!


ゾロがタコの脚を一斬りすると・・・


パァン!!!


「「「はぁ!!?」」」


タコは何故か風船のように脚を破裂させた



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