月夜の旅人

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海上レストラン バラティエにて念願の“海のコック”サンジを仲間に引き入れ船はゆく―――


天気は良好だ


「うわぁあああん…」


その船からは何故かヨサクの泣き声が聞こえてくる



「おい いつまで泣いてんだ 元気だせよ」


「だっで感動じだんでやんず!!
あっぱれな別れっぷりでじだ
コックのアニギ……!!!」


「お前この進路ちゃんとあってんだろうな…


なぁレイあってるか?」


『……あぁ』


泣きじゃくるヨサクに進路が不安になってきたサンジはレイに問う


問われたレイはサンジの方には視線は向けず海を眺めながら返答した



「あ―早くナミ連れ戻して“偉大なる航路”行きて―な―!!」


「やけに嬉しそうだな
ナミさんが帰って来ても、 まだたったの6人だろ?


レイがいるとはいえ、
本当に6人で“偉大なる航路”へ行く気かよ


海をナメてかかると痛い目みるぜ?」


「仲間集めなら“偉大なる航路”でもできるさ!


なんたって“楽園”だもんな―」

『…!』


レイはルフィが口にした“楽園”ということばに反応する


「“楽園”?“海賊の墓場”だろ!?」


『…ゼフが言ったのか…?』



「あぁ!レストラン出る前にさ
オーナーのおっさんが教えてくれたんだ


“偉大なる航路”を“楽園”と呼ぶ奴もいるんだと!!」


『…』


嬉しそうに笑うルフィを見たあとレイは反応のないヨサクに視線を向ける


「クソジジイがそんなことをね…

まぁおれはナミさんが一緒ならたとえ二人きりでも…」

「甘すぎるっす アニキ達!!!」


サンジが鼻の下を伸ばしながら言った言葉を阻み、ヨサクが怒鳴った


『……』


口々に“偉大なる航路”を知らなさすぎるやら、ナミの向かったさきがどんなところなのかを怒鳴りながら説明するヨサクをレイは無言で見つめた…



そして……



スッ


「ん?レイどうしたんだ?」


『……ヨサク』


立ち上がり、レイはヨサクに視線を向ける


「はい!どうしやした?レイのアニキ」


『…進路はお前に任せて大丈夫だな…?』


「え?…えぇそりゃもちろん……」


『…それならおれは先に行く』


「え!?」


「どうしたんだ?」


「えぇ!?レイ行っちまうのか!??」


『…早く行けるなら、それに越したことはないだろう


どうせ…あとで会うんだ そんな顔をするな



じゃあな……』


「あぁ!!ちょっ!レイのアニキ!?」


レイは海の上を波音を小さく残しながらまっすぐに島に向けて走っていった。

「う…海の上を走ってるっす…!」

「まー、レイだからなぁー」

「それより何か焦ってなかったか?レイの奴」



………………………………



………………………






『…(かつてはあのジンベイと肩を並べたものが…


堕ちたものだな…アーロン)』



レイはアーロンパークに向かう中そんなことを考えていた。




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