NOVEL4

□ちびユウパニック
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「神田が大変です!!」


ドタドタと夜の教団に響き渡った声にみんな叩き起こされた


「なんなんさアレン大声出して…」

「こんな夜遅くにどうした…の?」


起きてきたラビとリナリーはアレンを見て固まる

正確にはアレンの抱いているものを見て



「か、神田が」


くりくりの可愛い目に、やわらかなほっぺ

さらさらした黒髪にちっちゃな手


「神田が赤ちゃんになっちゃいました」

「あぅ?」



「「えぇぇぇぇぇっっ!!?」」





よろよろ歩く姿はどう見てもあの神田には見えない


「すいません、手違いでイノセンスが浸かってた溶液をもろに被ってしまったらしく…」

「何やってんさ…つうかこれは元に戻るんか?」

「それは大丈夫そうです。二三日で元に戻るそうですから」

「そっか、んじゃそれまでユウを隠すさ」

「なんで?」

「こんな姿見られたらまたからかわれて喧嘩になるさ」

「なるほど、わかったわ」


というわけで神田が元に戻るまでみんなでお世話をすることになった




「ユウ〜おいで〜」

「うぅ?」

ぎゅっと抱き締めても嫌がらない


「俺のことわかる?」

「う?」

「ラビさ、覚えてない?」

「ぁぃ…っらび!」


つたない声で呼ばれラビは思わず神田を抱き締める


「可愛いさぁ!」


「ねぇねぇあたしも呼んで、リナリーよ」


「ぅ?…りないー」

「んんっ可愛い!」


むぎゅっと二人で抱き締める


「ふぇ…いたいぃ」

「はっごめん神田」

「泣かないでさユウ」


よしよしと抱っこするラビ


じわ…


「んっなんかあったかい……」



ぽたぽた



「ラビっ神田がおもらししてます!」

「えっわぁ〜〜〜!!」


じんわり広がる染み


神田はすっきりしたようでまたくりくりした眼差しであちこちを見ている


「ユウぅ!!こんなとこでおしっこしちゃだめさ!」

「びくっ…うっうっふえっえぇん」

「わあっ泣くなさ」

「何やってるんですか」



見兼ねたアレンが横から神田を奪う



「ほら、気持ち悪いでしょう?着替えましょうね」

「あいっ」

「……っ//」


不覚にも可愛いと思ってしまったが相手は神田


「そ、そういえば僕のことまだ呼んでないですね」
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