NOVEL1

□月には兎がいるんだよ
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金色に輝く満月の夜


並ぶ小さな背中が3つ



「月が綺麗さ」

「本当ね」

「………月には」


珍しく自分から話題をもつ神田に二人は驚いて見る


「月には兎がすんでるんだ」

「「………は?」」



兎?兎ってあの兎?



「ほら影があるだろ」

「あああれね、あれは蟹なのよ」


蟹?


「違う、兎だ」

「蟹よ」

「あー…それ、たぶん国の違いさね。中国では蟹で日本では兎なんさ?」


うん、と頷く二人


「兎が餅ついてるんだ」

「兎が餅ねぇ」


じーっとラビを見つめる二人


「な、何さ」


「ラビの槌って杵みたいよね」

「俺は餅つきなんてしないさ!?」


「「……なんで?」」



えぇぇぇ!!?何その期待


「兎なのに」

「槌なのに」

「いやいや、そもそも兎じゃないさ!」




月の下

焦る兎が一匹


【END】
 

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