NOVEL4

□だって猫だもん
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もくもくあがる煙


「けほけほ、な、なんですかこれ」


帰ってくると煙の立ちこめていた


「あ、あれんおかえり」


煙の中心からする声


「にゃんだ?何なんですかこの煙!?」

「うー、いまりょうりしてるから」

「料理??」

「うん、ひものやいてるんだ」

「干物…て、なんでまた」

「おいしいから」


また唐突な…


でもこのままじゃ煙たくってしかたない


「もう、早く火消してください!」


じゅぅぅぅ



「……あぁぁあ!!」

にゃんだの悲痛な叫び


「干物は外で焼くものです」


消化が完了し七輪を庭に運ぶ



しくしくしく


「ほら、焼きましょうにゃんだ」

「やぁ、もういらないっひく」

「泣いてないで…おいしそうですよ」


ふわふわ漂う薫りに誘われる


「魚は部屋で焼くものじゃないんです。にゃんだも分かるでしょう?火事になったら大変」

「うにゅ…だってもくもくいいにおいなんだもん」


そういえばにゃんだも猫でしたね



「魚好きなんですか」

「うん」

「はいどうぞ」

「あむっむぐむぐ」

「あれ?いらないんじゃなかったんでしたっけ?」

「あ……うー……」


口につけたまま困るにゃんだ


「くすくす、いいですよ。食べましょう。せっかく焼きたてなんだし」

「うん」


頬張るにゃんだはとても幸せそうだった

【EMD】
 

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