NOVEL4

□うさらび
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「また…くだらないもの作ったなぁ」


アレン、ラビ、神田の前にあるぬいぐるみ


ふわふわでなんともやる気のないうさぎ

しかもなぜか右目だけ眼帯をつけている




「これってわざと?」

「いや、製作過程でちょっとね…まあ可愛いでしょ?」




確かにつぶらな瞳は可愛いが

どことなく似ている



「なんかラビに似てますね」

「むかつくさ」

「ふぬけた面がそっくりだな」

「ユウ、酷っ!?」




ひょいっと耳を持って持ち上げる


つぶらな瞳がこちらをむく



「うーんまあこれはこれで愛敬があるかな…」

「自惚れかよてめぇ」

「違うさっつか俺じゃねぇし!」


ぴくっとぬいぐるみが動く

ラビはぎゅっとぬいぐるみを抱き締めた


「そんなに言うならこいつは俺が育てるさ!」

「……育てるってそれ生きてませんし」

「…………馬鹿」


「う…。と、とにかく俺がもらうさ…」



かぷ



……………かぷ?………



「うわぁぁっな、なんか噛み付いてるさ!?」


痛くはない


が、懸命に噛み付くぬいぐるみにやや恐怖する



「な、なな、何なんさ!これ!」

「いやぁ一応最新の人工知能を組み込んであるから」

「つまり、嫌われちゃったのかな」


のんきなコムイ


「…ぷっ」

「笑い事じゃねぇさ!こいつ全然離さないし!」

「くすくす」

「ユウまでっ…うーっくそ…はーなーせぇ!」

「び!」


ぐぐぐっと二人の攻防戦が繰り広げられる



「ラビが優しくしないからいけないんじゃないですか、ほらおいで」


ひょいっと抱き上げるとまだしばらく噛み付いていたがしぶしぶ離す


「助かったさアレン」

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