NOVEL1

□それは一つの愛し方
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「うるせぇ、んなことよりてめぇ任務は終わったのか?」

『それが、終わったには終わったんですけど、吹雪で動けないんですよ』

「そうか」

『神田?』


黙り込む神田に疑問を浮かべるアレン


「おい、糞モヤシ」

『アレンです』

「あいつ、風邪ひきやがったんだ……なんかへこみっぱなしだし……」

『え?あいつって?』


がちゃ


開いたドアに反応するにゃんだ

傍らには神田のゴーレム



「30分だ、俺は昼飯食ってるから後で返せよ」


ばたん


「ユウ?」


ぱたぱたはばたくゴーレム


『ジジ…』

「にゃっ!?」


『にゃんだ?』

「あれん?」


『あれ、神田は?』

「ユウはごはんたべにいった」

『そうですか』


ぱたぱた羽音が響く


『こうしてゴーレムで話すのって初めてですね』

「うん、あれんのこえだけってへんなかんじ」

『クスクス、そうですね』

「あれん…けほっ」

『にゃんだ!?風邪ひいてるんですか?』

「うにゅ」


さっき言っていたあいつとはにゃんだのことだったか

アレンは急に不安と心配にかられる


『にゃんだ、大丈夫ですか?その気持ち悪いとか』

「だいじょうぶ、おかゆたべたからちょっとよくなったし」

『そう…早く帰りますから』

「うん」

『すいません、辛いときに傍にいられなくて』

「ううん、こえきけてうれしい」


なんだか淋しさが満たされて体が楽になる


「あれん……」

『はい』




「だいすき」




『僕も愛してますよ、にゃんだ』

「にゃ//…うれしい」



楽しい時間もそろそろ終わり



『じゃあにゃんだ、そろそろこっちも動けそうなんで。早く帰りますからね』

「うん、まってる」

『じゃあまた』

「うん」



ぷつ



がちゃ


「終わったか?」

「うん、ありがとユウ」


実は扉の外でずっと待っていた神田

にゃんだの嬉しそうな顔にやっぱり自分ではできないことを悟り少し淋しくなる
.
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