NOVEL1
□泣き虫のくすり
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「頭を撫でられたこともなかったんだ」
「すいません」
「………馬鹿モヤシ」
「あの…」
「なんだよ」
「怒って…ないんですか?」
「ああ?」
「いえっすいません」
神田は少し紅い顔で睨む
「このことは黙っとけ、そこのチビもな」
びくん、とするにゃんだ
ばたん
閉まるドアを眺める二人
「何だったんだ」
「びっくりした」
「あれん」
「何ですか」
「ユウうれしそうだった」
「え?」
「はじめてだっこしてもらえて、あたまもなでなでしてもらえたから」
にっこり笑うにゃんだ
そうか
そうかもしれない
神様
この悪戯心は許されましたか?
【END】