NOVEL2

□お姫様デー
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目が覚めたら

見知らぬところにいた



「どこだ?」


がさっ



「な………!?」



起き上がろうとしたら体が重かった

全身純白のナイトドレス


「なんだこれは!!」


コンコン

びくっ


「おはようございます、お目覚めでしたか?」

にこり、笑って入るリナリー

どうやら敵に拉致られてるわけじゃなさそうだが


敬語が気持ち悪い



「お支度をいたしましょう」


なかば引きぎみな俺を強引に立たせる


「おい、なんの悪ふざけだ!」

「ふざけてなんていませんよ、これは神田様のためですから」


ぞくぞくぞく


「さ、さまなんてつけるな!本当にやめろ」

「くすくす、何を怒ってらっしゃるんですか?あ、お召し物、これはお嫌でしたか?」

「そういう意味じゃなくて」

「んー、こちらはどうでしょう?うんっこちらのほうがよさそうですね」

「リナリー」

「はい」


にっこり



「本当に…嫌だ」


すっと笑顔が消える


「では、代わりの者に支度の方は手伝わせますので。お待ちください」

「えっ待っ…」


バタン


そう言って出ていってしまった


コンコン


「失礼します」


代わりにきたのはモヤシだった


「お支度、お手伝いにあがりました」

「ってめぇらどういうつもりだ」

「どうもこうも、すべては神田様のためですよ?」


ぞくぞくぞく!


「様、はやめろ!」

「そうですか?では姫、着替えましょう」

「姫ってなんだよ…っておい!やめろ!…っあ」

「あまり時間がありません。少し強引ですがご無礼を」


キンッ


発動したクラウンクラウンのベルトが体に巻き付く


さくさく紅いドレスを着せられ、化粧を施される



「お疲れさまです。では朝食に向かいましょう」


モヤシに連れられるまま知らない廊下を歩き、でかい食堂についた


「おはようございます」


挨拶とともに蕎麦を出してきたジェリー


いつもの味だが、なんなんだこの態度は



「さ、朝食が済みましたらパーティの支度をしましょう」

「失礼します」


頭を下げて入ってきたのはマリだった


「お前もかよ」

「アレン、パーティの段取りは私が説明するから下がっててくれ」

「はい」


がさがさ、大きな紙を広げこれから行われる『パーティ』の段取りを言われる


「今日は神田様の誕生日ですから、なんでもほしいものはこのとき言ってください」

「……」

「はぁ…………今日一日だけだから我慢するんだ」

「え?」

「お前がこういう悪ふざけが嫌いなことは知ってるけどみんなで考えてやってくれてるんだから多少は我慢しろよ」


いつものマリだ


やっぱりこの意味はわからなかったが悪意があるわけではなさそうなので納得した







そう、まるでおとぎ話のお姫様のようだ


「神田様」


まだ悪寒を感じるが少し慣れてきた呼び名



パーティ会場に連れられる教団員に囲まれた

全員ニコニコしていて気持ち悪い



パン


パンパン


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