NOVEL1
□師匠と弟子
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「うわっ神田へったくそ」
「いや、これはこれでなかなか味のある犬だと思うぞ」
「……………馬だ」
「見えね―――!」
「うるせぇ!放っとけ」
今日も賑やかなティエドール班
「たまには君たちも描いてみなさい」
ということで筆をとり書き始めた絵
神田はあまりにへたくそであった
「ってかお前らと一緒にすんな、普通はそんなに上手く描けねぇ」
悔しいが二人とも上手い
絵画の修業でもしたのかと言うほどに
「神田がへたくそすぎるんっしょ」
「あ?喧嘩売ってるのか」
「やめろ、二人とも」
「描けたかね」
「元帥」
相変わらず掴み所のない笑顔でよたよたと歩いている
「ほう、また腕をあげたねデイシャ」
「マリも線が随分力強くなった」
「ありがとうございます」
「神田…」
「俺のは言わなくても分かってます」
「そうかい」
「…あんなに上手く描けるわけ…ないんだ」