NOVEL1
□甘え甘やかし
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「……だるい」
「仕方ないでしょう風邪なんですから」
「うー…」
紅い頬に潤んだ瞳
擦れた喉
「でも夏風邪なんて弱りましたね」
「うるせっ…こほっ」
「ほら大きな声出さない」
「うー…」
甲斐甲斐しく世話を焼かれるのは嫌
嫌なのに…
「喉…痛い」
「何か飲み物でもいりますか?」
こくん
「どうぞ…飲みにくくないですか?」
こくん
「よかった」
嬉しい…なんて、体が弱ってるからだ
「寒くないですか?」
こくん
甘えたい…なんて、体が弱ってるからだ
「じゃあ僕次の任務の…」
「え…嫌…………ぁ//」
「…え?嫌って……神田?」
かぁっと風邪のそれではなく紅くなる神田
「に、任務だろ。さっさといけっ//」
布団をすっぽりかぶり照れ隠しに怒鳴る
その様子に愛しさを感じそっと布団越しに囁く
本当は任務なんて行く気はさらさらない
ただコムイに変えてもらおうと思っていただけなのだ
それを放っておかれると勘違いし、嫌っという可愛いらしい反応まで見せてくれる彼
愛しくないわけがない
「神田、大丈夫。そばにいますから」
ぴくんっと反応する布団の主
「ほら、汗かいたでしょう?拭きましょう」
やんわり、小さく抵抗をみせる彼を制止して布団を剥ぎ取る
ほんのり色付く頬
おそらく汗ばむ体も同じだろう
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