NOVEL5
□禁忌
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月のない晩に
巡り合ってしまった
「こんばんわ」
一面の紅に彩られた君はとても綺麗
「……っ…」
「無理だ、動けねぇよ」
血の気の失せた顔なのにその瞳は驚くほど強くてぞくぞくする
「お前…」
「っ…ぐっ」
喉が潰れているのか声は出ずひゅうひゅうと息が擦れている
どくんどくん
みるみるうちに癒える傷
「何…お前治るんだ…すげぇな」
まだ痛みが引かないのか動きは緩慢だが懸命に立ち上がる
すらりとかざされる刀
ぞくぞくする
「無理だっつったろ、エクソシスト」
「…るせぇ…はっ…死…ね」
瞳は強い
強い物は少なからず脆い
お前はどうだ?
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