開かない心

□召喚景記-ショウカンケイキ-
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――――1時間後―――


サナクsid

いつからだろう。
一人だと気付いたのは。いや、気付かされたのは。

あのガキに会った時か。

くだらない。



『お兄ちゃんも友達だよ!!』

はにかむ小さい少年。



硝子の割れる様にヒビが入り……。


――パキンッ…



砕け散った。



そして彼は現実に戻った。





バッ!!



「うぉ!?」

覚醒しかけた頭で目を開ければ見知らぬ子供が俺を覗き込んでいた。

落ち着け。

混乱してる頭を押さえ付けて頭をフリ回転させて…。

って、俺は誰だ?

名前も何も思い出せない。
頭の芯がぼやける。


「おい、どうしたんだよ」

「ここは…?」

「学校だ」

がっこう?なんだそれは。
俺はなんでここに…?

とにかく、座ろう。

俺は起き上がりその場に座り直した。
同時に手を着いた時に何かを踏んだ。
ぐぎゃっだとか鈍い音がしたが気にしない。

「痛っ!!」

手元から喚き声がした。声のした手元に視線を向ければまた他の知らない子供と目が合った。
明らかに睨んでいる。

「ごめんなさいは…?」
明らかに黒くて不機嫌なオーラを垂れ流しのソイツは俺の手を突っ撥ねて俺の前に仁王立ちをした。

図々しい奴だな。

憎まれ口でも叩いてやろうかと思ったが、無理だった。
俺はそこで訳も分からず意識を失ったのだから。



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