桜の木の下で

□ショートショートストーリー
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キーンコーンカーンコーン

「昼休みー!!」

「挨拶してから騒げ馬鹿!!」

高らかなチャイムの音に右隣りの翔太がガタンッと勢いよく立ち上がり理科兼担任の澤木がその騒がしさに素手でチョークを握り潰しチョークケースから新品のチョークを取り出し翔太に投げ付ける。

「痛っ」

それは見事に翔太の額に命中した。

「おいっ日直」

しんと静まり返る教室。
おいおい、誰だよ日直は〜仕事はさぼっちゃいけないよー?ってなんでみんな俺を見てんの?

首を傾げる俺に澤木は貫かんばかりの目線を送る。

今呼ばれてんのは日直だろ?なんで俺を見るかね。

「日直は三崎だろ?」

えっ、俺?
嘘だー俺知らないもん。
そう目線で伝えようと思ったけど許されないようなニッコリ笑いを澤木は向けていた。
そしたら、俺の選択肢は一つだ。

「あっ」

明後日の方向を指差して澤木の気がそっちに向いた。
その瞬間俺は一目散に教室を脱走した。

それを逃がすものかと澤木が俺を追い掛けたのは言うまでもない。


こんな俺達の昼休み。





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