main2

□My Dear…
2ページ/6ページ









「明日は大切な人に、かんしゃをあげるんだって」
「ありがとうだよ!」
「すきすきだよ?」
「ありがとうで、すきすき?」
「だから、紅と白はおはぎといちご!」
「それから、紅と白ももらうの」
「ねー」
「ねー」

すずらん堂の庭を出た後、川で遊びながらの情報収集で得た内容はたったこれだけ。
やっぱバレンタインみたいなもん?
と、いちごはさっぱり分からずに首を捻る。
しかし自分は聞いたことがないのに、おちゃと紅白が知っているなんて。
いつの間にか常識?もしかして乗り遅れた?
そんな少しの悔しさから、他の奴らに聞くのは躊躇われた。



いちごはあげないの?



おちゃの声が頭に再び響く。
それと同時に浮かんだ相手の顔に、いちごは一人で赤くなった。
「べべべ、別にあんな奴!やんねーぞ!俺は!」
急に誰に向かうでもなく言い訳を始める様子に、川遊びをしていた紅白は不思議そうに首を傾げあった。
「いちご真っ赤ー」
「へんなのー?」






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ